リサイクル親父の日記

第971話 元気モリモリになった知り合いの自営業者さん

2010/05/19

店の近くで自営業をしている知り合いがいる。
家業を継いだ2代目だが、現在は息子さんも手伝っているので3代目ができたことになる。
仙台外れのこの地で創業して50年くらい経つのだろうと思える。

ここ20年くらいはスーパーに押されて自店での販売は不調に陥ってる。
商品はスーパーにも卸で納めているが、価格はスーパー主導だから儲けは薄利も甚だしい。
しかし、合理化や生活の切り詰めなどあらゆる手を使い耐えていた。

従業員も適時減らしてきたので奥さんや息子さん、本人の負担は大きくなるばかりでもあった。
ちょうど2年前に本業を活かした別な商品を作り始めた、同時に移動販売も試みたのだ。
製造直販としての本業、スーパーへの製造品卸業、新商品移動販売と3足の草鞋となったのだ。

既存の2業態は横ばい的ジリ貧傾向だが、新商品移動販売が最近好調になってきたそうだ。
1年間は全てが試行錯誤で、商品の味も相当研究したし、販売先の開拓も大変な苦労を重ねた。
2~3ヶ月に一度くらい、手の空いた夕方に俺の店に来るんだ。

1人でも十人もいるような大声と言葉数で喋りまくるから存在感が物凄かったりする。
その都度新商品販売について状況を教えてくれていた。
俺も消費者視点であうだこうだと意見したりしてた。

移動販売しててお客さんのニーズが分かってくると、彼はどんどん吸収して対策を打った。
自分の商品以外にも付加価値のある商品を仕入れて一緒に販売もしていた。
売上規模はまだ小さいが利益率が大きく向上してて手ごたえを感じていた。

「いや~しばらくです!」と店内に響き渡る声がした。
彼本人を見なくても、しばらくぶりに聞いただけで俺には直ぐ分った。
「顔色すごくイイですね」と俺は声をかけた。

そして数時間も商売について話してくれた。
俺と彼とは、彼のこともそうだが、俺のリサイクルショップについても忌憚なく意見交換をしている。
商売人同士だから、あらゆる商売について経営者視点で語り合えるのだ。

極最近、あるスーパーから強引な値引きを要求されたが撥ねつけたそうだ。
それは新商品移動販売で儲けが確保できて余裕があったから、撤退しても構わないという覚悟でもあった。
その後、要求は撤回されて納品は続いているそうだ。