リサイクル親父の日記

第978話 にぎりハサミって何て表現したらイイのかしら 

2010/05/26

物を言い表す場合に名前が思い出せないことがある。
そんな時は、用途や形状や似た物で表現したりする。
一般的な名前は知っているが、少し専門的だったり特殊な場合はどうだろうか?

先程から彼は、年配のおじさんだが、懸命に説明しているが俺は全く理解できない。
身ぶり手ぶりを駆使してるが、結果は変わらない。
「どんな時に使うんですか?」と聞くと、「分からない」とこれまた訳のわからない答えだ。

「あなたは、そのハサミを見たこと有るんですか?」と聞くと、「イヤ、見たことない」と????
「あのさ~、頼まれたんだよ」と弁解する。
「ホームセンターに行って、ハサミコーナーで探してみた方がイイと思いますよ」とアドバイスしたら、

「ウン、行って聞いたけど分からないんだって・・・それでリサイクルショップなら分かるかと・・・」。
「何に使うかや形状が分からず、そして、あなたが見たことない物を探すって大変でしょ?」と皮肉を込めて俺は言った。
「そうだ・・紙と鉛筆無い?絵を描くよ!」と彼は机上のメモとボールペンを持つ。

15cmX10cmのメモ用紙に大きくペンを走らせる。
グル~とペンは回って、U字が見えた。
次にU字の両端に小さくV字を描き加えた。

「こんな形でよ、0XX・・・」と説明するが、何を言おうとしてるかチンプンカンプンだ。
「これのどの部分で切るんですか?ハサミですよね」と質問せざるを得ない。
「・・ふむ~俺も分からねぇんだよな~~、きっと、こうだと思うけど・・・」。

俺は訳分からないことが、俺自身が釈然としないし消化不良になってしまった。
目の前の彼はどうでもよかった。
彼の人となりから察して、奥さんに頼まれた物だろう、U字型をしたハサミ・・・とキーワードで推理した。

ハサミ、U字、・・・・と数回暗誦している内に、裁縫で使う「にぎりハサミ」が思い浮かぶ。
メモ用紙を取り戻して、V字を消して、U字の内側にグイッと厚めの刃を描き込んだ。
勿論下半分の握り部分は極細にしたんだ。

「このハサミですよ、きっと、今は在庫ないが、ホームセンターには必ずありますよ」と断言した。
「そっ、そうか、助かったよ」と彼は店を去った。