2010/05/27
仙台市の東照宮という神社の境内では、毎月最終日曜日の早朝から骨董市が開催されている。
参道の両側に骨董露天商が店を出し、大勢の骨董マニアが賑やかに行ったり来たり、見たり話したり、買ったりしている。
最近はフリマが何処かしこで流行だが、どちらかと言えばフリマは以前ほど魅力は落ちている。
でも、骨董市はマニアという一群の固定ファンがいるから、いつもの賑わいは落ちることはないようだ。
俺も何度か骨董市に行ったが、知り合いの骨董屋さんが何人も店を出している。
ごった返しているお客さんたちの中に何人かの俺の店に来たことがある人たちも散見できる。
骨董屋さんたちもお客さんたちも変わらない人々の定期的な集まりの様な気分もある。
変わるのはお客さんの一部の顔触れに、骨董屋さんの並べる骨董品ということか?
ここに集うお客さんたちは目が肥えているし価格にも厳しいというのが一般的だ。
その東照宮を横手に見て、俺はトラックを進めて1Kのアパートに着いた。
電話で聞いていた買取品は、新品布団に3段チェストと冷蔵庫だった。
検品のために部屋は入ると、カーテンが閉められているが陽光が薄く射している。
ぐるりと部屋を眺めたら、何か違和感の様な雰囲気を感じた。
検品すると、冷蔵庫は10年も前の物だったが布団は問題が無い、チェストは少し汚れているが何とかなりそうだった。
1m角の大きな段ボール箱が物入れ的に使われていて、マンガが本が積まれている。
だからチェストが無くなると、後はその段ボール箱と細長い短いテーブルしか残らない。
それに、部屋の隅に小さな折りたたみテーブルがあって、どうやら位牌と写真が飾られているくらいだ。
衣類は部屋の壁に吊り下がっているが、あっちこっちにたくさんぶら下がっている。
「布団は使った方がイイんではないの?」とベットのヨレヨレの布団よりイイのではと老婆心が出た。
「わたし、茶色は好きじゃないの、水色が好きなの」と主張する。
さっき感じた違和感が分かった。
部屋のカーテンが水色、ベットの布団は水色、テーブルクロスも、彼女の服装も・・・何でもが水色なのだ。
遺影の額縁は、フォトケースだが真っ青な水色(?)なのである。
「わたし水色大好き、水色に黄緑ね、この二つが好きなの」と言う。
以前、キティーちゃん大好き人間に会った。
その部屋はキティちゃんグッズで溢れていた、同時に、あのピンクが蔓延していた。
目が眩むほどのピンクハウスだったのだ。
人の好き好きだから・・・
自分の部屋を自分好みにすることは皆さんがやっているからね。
片付けができなくてゴミだらけよりはよっぽどマシである。