リサイクル親父の日記

第984話 寿司屋は難しいから・・・蕎麦屋を・・

2010/06/02

時代が変わって消えてゆくものもある。
リサイクルショップをやりだした10年ちょっと前からそんな時代の変化を感じてた。
潰れても同じ店が再開するという場合もあるが、寿司屋は再開とはなり難い。

店の近くの寿司屋は数件も無くなってしまっている。
回転寿司が一世を風靡して久しいし、俺ももっぱら回転寿司でしか食べなくなっている。
一皿100円だから安心して好きなだけ好きな物を食える。

これが淘汰ということかもしれない、回転寿司以外に残れるのは極僅からしい。
おじさんと若い職人風の二人組がやって来た。
「製氷機、業務用の物はないかい?」とおじさんが聞いてきた。

ちょうど1台しかないが、それを案内する。
寸法と容量を記入して帰った。
「店に入るかどうか調べるよ、後で電話するから」気風の良さそうなおじさんは言った。

後日、若い方が電話で「大丈夫でしたので買いますから」と連絡してきたのだ。
現物を取りに来たのも二人一緒だった。
親方と若い衆かと思っていたが、どうも二人に関係は微妙に違いもあるようだった。

「ところで何の店をやるんですか?」と聞いた。
「ウン、蕎麦屋だよ、俺は寿司屋だけどさ、寿司屋は年々悪くなってるから、息子には蕎麦屋をやらせようと・・・」。
おじさんは寿司屋で、息子を東京に修業に出したが、今後は寿司屋経営が難しいと感じていた。

寿司屋の近くに居抜の蕎麦屋の売り物があって、それで蕎麦屋を息子にやらせようと思ったそうだ。
「蕎麦作りは分からないが、色々試してるよ、なかなか難しいが何とかなりそうだよ」。
息子さんよりおじさんの方が張り切っている感じを受けた。

「蕎麦屋だろ?茹で上げたのを冷やすのに氷をたくさん使わないとなぁ」。
おじさんは寿司職人としての基礎があるから、蕎麦でも何とかできると闘志むき出しだ。
その気持ちが俺にも伝わってきたし、年れに関係なく人生にトライしないとならない、と改めて感じた。