リサイクル親父の日記

第985話 とっても、大変、凄く、ホントに・・・

2010/06/03

仙台市にもポコポコと山があり、その辺の住宅街は道も狭くて苦労します。
仙台市太白区西多賀という地域も丘に沿って傾斜している場所です。
同時に道が狭いのでトラックで行く場合には苦労が尽きない。

若い男性からの依頼である。
「2~3年前に買った家具ですが、買取できますか?」と言う。
家具の種類を聞くと、「洋服ダンスと本棚などです」とテキパキと答える。

当日、約束時間の5分前に着いたのはイイのだが、その坂道が狭くて帰りを思うと不気味な感じがしてた。 
しかし、その一軒家は50年も経った古びたものだ。
そしてガラス戸から見える家の中は何もないようだ。

ケータイに連絡をすると、「今、向かっているのでもう少しかかります」ときちんと答えてた。
それまでトラックをUターンすべく運転席に乗った。
ところが2トン車のためターンできる場所が無い。

少し先に駐車スペース的奥まった所が見つかるが、僅かに間隙はトラックの幅で目一杯なのだ。
何度も切り返しをしつつ、トラックを降りてはスペースを確かめて、その繰り返しを延々と繰り返した。
トラック後部は数回も雑草に潜り、擦るから、角は緑色に着色気味だ。

やっとの思いでターンを終えた頃、男性は自転車を上り坂だから押しながら向かってきた。
「すいません、お待たせしちゃって」だって。
普通の若い男性で礼儀も言葉もしっかりしていると思った。

そして借家の鍵、懐かしい棒状差し込み鍵、それだけ家が古い証拠でもある。
戸が開いて家の中に入るが、彼は土足でドカドカと歩くのである。
最近は自分が暮らしてたアパートなどを片付けるとなると、部屋中を土足で歩き回る人がいるのだ。

「これです」と示した物は、洋服ダンスや本棚ではないのだった。
「エッ、これですか!?これは違いますよ」と俺は愕然とした。
背板がふやけた3段カラーボックス、パイプハンガーなのだ。

彼の表現では、本棚と洋服ダンスになってしまうのだから、俺は呆れ果て言葉を失った。
とっても、大変、凄く、ホントに・・・そんな気持ちでトラックをターンしたばかりだったけど、彼の言葉はもっと衝撃が大きかった。