リサイクル親父の日記

第987話 パワーストーン、レインボー水晶とは?

2010/06/05

俺には興味が無かったのだが、世の中には石が好きな人がかなりいるようです。
自然の置き石から、石を加工した置き物、など多種多岐に渡っています。  
リサイクルショップを始めて買取をしていると、置き石の大小様々が手に入ることもしばしばだ。

古来より人々は石の虜だったのかも知れない。
神秘的な輝きと美しさは、俺でも見ていて惹き込まれたりしてしまうことがある。
純然たる鑑賞を目的に各地の河川敷に探しに行く人もいる。

石仏など飾り物や置物を好む人もいるので、石の楽しみ方もたいへんバラエティーに富むものなのだろう。
勿論、指輪やネックレス、ブローチとしては最も一般的だが、こちらは楽しみよりも記念や思い出という気持ちの表現として扱われているかな。
俺の幼い記憶にある石は、大きな庭石や踏み石などであり、次に墓石って感じだった。

買取現場では、お爺さんが集めた石などが出てくるし、査定のしようもないのだが・・・
残った家族には興味のある人がいないから、兎に角持って行ってくれるだけでイイとかと言われたりするのだ。
そんな事情で石が店に集まりだしてしまい、後で販売するのに四苦八苦したりしたものだ。

趣味の物は値段は二の次だから、好きな人が店に来るかどうかで決まる。
勿論値段は格安にするけれど、好きな人が何時来るかは神のみぞ知る、だから、俺も石のように何年もジーッと待っている。
石の上にも三年って?石を並べて10年ですけど・・・

最近というか、かなり前からパワーストーンなる表現で、石のパワーを謳っている物がある。
石のパワーの実感は俺は体験してないので分からない。
しかし、世間にはブレスレッドからネックレスとそのパワーを信じて身に付けている人が何と多いことか。

ファッションや流行で身に付けている人が大多数だとは思う。
石のパワーで健康になれると言われると盲目的に信じて買ってしまうお年寄りも確実にいるのだ。
数十万円で買った強力パワーストーンなるブレスレッドを見せられたけれど、俺はアングリ口が開いてしまった。

俺の店で販売している石のブレスレッド、買取した引出に入っていた物とサッパリ変わりがないのだ。
店では1千円で販売しているが未だに売れ残っている。
風水に凝っていた人が持ち込んだ「レインボー水晶玉7個セット」には俺は驚いた。

「球体水晶内部にヒビがあり、光がヒビで乱反射するから虹色に光ってます。この光には・・・
この水晶の円盤台に7個を載せることで・・・風水に力が・・・抜群に強くなり・・・・
1個で1万円するので全部合計7~8万円かかってます・・・とても貴重で・・パワーが出・・・」。

もう俺は聞いてても呆れてしまい、口角泡を吹く彼の顔を見ていた。
耳には声が聞こえるが聞いていないので、トーキー映画のように口パクにしか感じられない。
そんない凄い効果のパワーがあるならば、売ったりしないで大切にパワーを蓄えたら、と言いかけた。