2010/06/08
気どった話し方をする中年女性はよくいるから、俺も対応には慣れている。
電話があった。
「買取見積もりに明日来て下さらない?」と上から目線的言葉だ。
俺は慣れているから、おっとりと答える。
「ア、ハイ、見積ですね、どんな物があるのか教えていただければ助かります」。
「レンジ、冷蔵庫、ジューサー、扇風機などの・・ぜんぜん使わなかったの・・息子が・・1年くらいかしら」。
「電化製品は何年前の物でしょうか?年式が大切ですので教えて下さい」と質問をした。
「年式?1年も使わなかったわ・・・5、5年前ですけど、買取値段は幾らになるのかしら?」と金額を知りたがる。
「そうですか、5年前だと何とか買取はできますが、X千円くらいですよ」と答えた。
「アラッ、みんな同じ値段ですのね、どこの店でもX千円って、どうゆうことですの?」と意味不明の言葉が返って来た。
「みんな同じって言われても、ウチはウチの査定ですがね・・・他所の値段は知りませんが」。
「先程から5軒も6軒も電話で聞いているのに、高い店に売ろうと探してるのよ・・でも、みんな同じじゃしょうがないわね」。
彼女は5年前に息子が1人暮らしをした時に買い揃えた家電を売ろうとしている。
電話で高く買う店を探しているが、彼女が考えるほどの高額査定はでないから苛立っていたようだ。
それに息子は1年で何らかの事情で1人暮らしにピリオドを打った、それ以来、倉庫に留めていたらしい。
「もし査定がよろしければ、明日行くのは構いませんが、どうしますか?」と俺は話をスケジュールに切り替えた。
「・・う~ん、みんな同じだし、しょうがないわね・・邪魔ですから、明日来て下さらない」とアグリーしたんだ。
「それに状態が良ければ、少しかもしれませんが金額のアップは考えすよ」と少し喜びそうなことを言った。
「そうですか!?わたくし、そんなお店に頼みたかったんですわ、ホントに良い状態ですから是非・・・」。
彼女の声が突然明るく変わるのだ、とっても利に敏い、その変わりようが手に取るように伝わってきた。
「ハイ、頑張りますから、他にも何か御不要な物があれば買取しますのでご準備お願いします」と付け加えた。
「そうですわね、こんな遠い所まで来ていただくのに・・助かりますし、色々探してみますわ」だって。
その場所は仙台市泉区北端の隣町との境、俺は1時間は覚悟してるが・・・
このように分かり易い人がいるのも事実である。
俺は、売る側も買う側も商売は対等だと常日頃考えている。
だが世の中には、買ってやるんだとか売ってやるんだとか、いつも威張っている人がいるのだ。
同じように店側にも、いつもお客様は神様だなんて考えている人もいるが、俺はそんなことはないと思っている。
ポリシィーがあるから、侮辱されたりすると、俺の本心がゴーマニズムに対して反撃してしまうこともある。