リサイクル親父の日記

第6話 再会がすっごく嬉しかったんです、うん!

2010/06/24

もう半年以上も店に来ていなかったから心配してた。
約10年前から週に1度くらいは来てたんだ。
1~2ヶ月間が開いたとしても、それは体調が悪いということだった。

2~3週間顔が見えなくなって心配が募り、具合が悪いのかと思ったりした。
それが1月過ぎると、本当に病気にでもなったかと益々心配に思えた。
数ヶ月経ってしまった頃、俺の記憶からドンドン薄れてしまうのだから、俺も勝手なものだ。

彼が勤めているタクシー会社の車を見れば、無意識に運転手を注意して見るのは条件反射だろう。
店の近くの会社は車の数も多くて、低料金で人気もあるから、頻繁に見かける。
彼がこぼしていた言葉が心に残っている。

会社から良く思われていないから、勤務時間や配車で冷遇されている。
きつくて金になり難い時間、稼ぎが少ない時間帯での乗務が続いている。
休みの日も、身体が疲れ果てているからプールや整体に通ってケアをしないとならない。

俺も歳を重ねるにつれて、ガチガチの身体が重くてシンドイと感じているが、彼はもっと重病だろう。
低額だが珍しい物を買っていた。
1度の来店で1~2時間も店内をじっくり探し回るのだから、気分転換でもあるようだった。

同じ大家さんの広大な敷地の中にあるコンビニに俺はタバコを買いに行った。
いつものように3カートンのまとめ買いだ、店員さんも憶えてくれている。
レジ袋にサービスのライターもちゃんと詰め入れてくれた、それを手に提げてコンビニを出た。

コンビニ隣の24H食堂前を過ぎた時、ドアーから飛び出してきて声を投げかけた人がいた。
俺は咄嗟のことで、何処から声がしたかと首を90度振った。
すると、小柄で短髪で白髪の彼がニコニコしていた!

「お久しぶり~~!元気でしたか?心配だったんですよ」と声が勝手に出ていた。
勤務地が隣の市の営業所になってしまったので、俺の店が遠くなってしまった。
でも、食事は時々この食堂に来るから、窓越しに俺の店を眺めていたそうだ。

「身体がだんだんときつくてしょうがなくなっているが、でも、仕事は頑張っているから・・・」。
その一言が救いだった。
こんなに再会が嬉しいなんて、俺も久しぶりだ。