リサイクル親父の日記

第25話 自営業者の厳しい現実か?仙台市霞の目から~

2010/07/14

二日間も買取の問い合わせ電話が同じ人からあったのだ。
事務機の買取であるが、どれくらい使ったかとか、どんな物ですかと聞いても、曖昧だった。
答えられなくなると、自ら電話を切るから、俺もどうしようもなかった。

冷やかしの電話ではないだろうが、内容が不明過ぎても動きようがないから、まあ期待はしてなかった。
・・そうして数日後、三度目の電話がかかってきた。
「今、現場に来てるから、直ぐに見積に来て欲しいが・・・」と切羽詰まった声で言っていた。

住所が俺の店から近いこともあり、俺は直ぐに行くことにした。
仙台市霞の目飛行場の脇で行き止まり場所のアパート1階である。
開け放たれた窓とドアー、年配夫婦が汗びっしょりで片付け真っ最中である。

「多分、5~6年前の物です、ソファーや机・・・」と2回目の電話でお婆さんが答えたの思い出す。
2室を事務所で使っていて、スチール机が3台、応接用のソファー、押入れは書類保管場所・・・・
大型のコピー機が幅を利かせているが、それら全てが中古で不揃いでバラバラなのだ。

「あの~5~6年ではないですよ、10年以上経ってますし、寄せ集めみたいですね」と言った。
お爺さんが「あぁ、そうですか、本人が入院してしまったもので・・わたしらは分からないんで」と申し訳なさそうに答えた。
風呂場の浴槽などには、段ボール箱や書類がギッシリと積まれている。

お爺さんが「全部片付けたいんです、見積してもらえませんか?」と言った。
「全部ゴミ処分だと相当な金額ですよ、色々安くあげる方法はありますよ」と俺は申し出た。
説明を頷きながら二人は聞いていた。

「・・・だから、重いとか大きい物は、ウチで何とかしますから、紙など書類は御自分たちで処理してはどうですか?」。
息子さんが代理店として独立開業してたが、病気で入院してしまった。
独立1~2年は何とかなっていたが、その後は業績が悪化して行き詰った。

2~3人雇った従業員にも給料が払えなくなくなり、ここ1~2年は独りで頑張っていた。
それでも、それでも必死に頑張っていたらしいが、疲労困憊に資金欠乏とダブルパンチ状態。
親であるご夫婦は、早期の廃業を勧めていたが、息子さんは後には引かなかったそうだ。

「病気を早く治して・・それが一番でさ、それから、又、考えれば・・・」とお爺さん。
「・・そうですよね・・」とお婆さんがコックリ頷いていた。
現実は厳しいから、それにしても自営業ってのは身体が資本ですね。