リサイクル親父の日記

第43話 とっても律儀な仙台育ちのおとうさんでした

2010/07/31

実家が仙台だったが、御両親が亡くなり実家の片付けに戻っていた。
現在は関東地方に居を構えて久しいから、休日を利用して戻っている。
先月買取の見積をして了解を得ていたから、話としてはまとまっている。

見積から数日後にケータイに連絡があり、古いレコードも引き取れるかと聞いてきた。
基本的には大丈夫と返事をしてた。
そして、7月末頃に再度戻るから、その時に引取することになっていた。

「今日の明日で悪いが、明日の昼ごろ、正確には11時17分には実家に着くから来てもらいたいが・・・」。
「えぇ、時間は合わせます、11時半には行きますから」と俺は正確性を持って答える。
見積の時にも感じたが、大変まじめで律義な性格だと思えた。

仙台市宮城野区原町は古い建物と新しい建物が混在してるが、古い街並みのために道路は狭いという難点がある。
それでもその家は比較的広めのイイ通りに面してて路駐し易いので助かった。
コンクリート塀に沿って止めて車を降りると、おとうさんは庭に出て待ってた様子。

挨拶をして家の中に入ると、すっかり片付けは済んでいた。
庭木や雑草も剪定や刈り取られたりして、1ヶ月前とは雲泥の差があって見違えてしまう。
俺の買取品は、これ又一部屋にまとめて置かれていた。

昔の本棚3台、むく板作りでレトロ感が漂っている。
オーダーメイドの事務机的な両袖書斎机、ケヤキ作りで引出は杉板、特別に内部真ん中前部に引き戸の戸棚があるのだ。
楢材の本箱は観音開きガラス戸があってこじんまりして可愛らしくて欠点はない。

わざわざ各部屋から運び込んだのだろうが、おとうさんの生真面目さが分かる。
俺は1人で持てる物を積み込んだ。
その部屋から玄関まで数メートルだが、それをおとうさんは手伝ってくれる。

重い机と本箱は二人で運ぶのだが、力仕事は慣れていないからぎこちない。
持った手を柱にぶつけたり、玄関を降りるときに躓いたりする。
だから俺はゆっくり注意しておとうさんをリードしたんだ。

「この家は自分で4代目だから、相当前の物だよ・・・」と言っていた。