リサイクル親父の日記

第45話 店と家では言うことが全く違うんだ、仙台のおばさん

2010/08/02

「あの~今度引越すんだけど・・・2~3点いらない物があるんだけど・・・・
アパートは近いの直ぐそこ、引取できるどうか~~それによって粗大ゴミにだすとか・・・・
来月だけど、お金なんかいらないの、一度見てもらえないかしら・・・」。

70歳くらいだろうか、控えめな話し方だった。
40歳代の息子風の人と来てた、彼は地図を書こうとしたが・・・・
住所を聞くとホントに直ぐ近くだし、道路沿いで分かり易いから、「分かります、地図は書かなくてもイイから・・・」と丁重に言ったよ。

翌日、見積に行くと彼女と息子が二人揃って待っている。
台所に和室2部屋だが、これも驚くほどに物が溢れている。
台所に食器棚とダイニングテーブルセットがあるが、冷蔵庫などもあり歩けない、横に歩くしかない。

食器棚とテーブルは密着しているから、下方の引出は開かずの戸棚である。
「引っ越し先が狭くなるから持って行けないのよ、娘が買ってくれたんだけど、惜しいのよ・・・
この冷風扇とダイエット器具も、全部勿体ないけど・・・幾らで買取してもらえるの?」。

ムッ!?あれまぁ、店で言ったのと正反対なことを言うものだ。
俺もギアチェンジして、少々厳しいが正確なことを言おうと決心した。
「テーブルにたくさんキズがあります、椅子も汚れがあるし、変色もあります。冷風扇は年式が相当古いです。

健康器具も錆が出てますから、3点とも買取はできません」と突っぱねた。
彼女は「じゃぁ、どうしたらイイのよ?タダでイイから持っていてってちょうだいよ!」と顔色が変わっていた。
「どうするかはお客さんの問題ですよ、市の粗大ゴミに出すとかしたらどうですか?」とアドバイスしたんだ。

困惑は深まるのか、「お願い、タダでイイからさ・・何とかして・・・自分で片付けるの面倒だし・・・」ときた。
40歳代の息子は何も言わず、ボーッとして窓の外でも見ているようだった。
豹変する人たちは結構いるものだ。

内弁慶的性格を否めない俺も、自分の店で商談する方がし易いと感じているが・・・
サッカーも野球もホームとビジターやアウェイでは気分が違うようなものだ。
それにしても彼女の豹変ぶりは凄かったよ、「ヘ~ン~シ~ン!」。