リサイクル親父の日記

第50話 怒られてしまうのだょ~ん、仙台の猫は怖いぞ!

2010/08/07

店から国道4号線バイパスを北上して大きな橋を二つ超えると、そこは仙台市若林区となる。
大幹線道路だし夏休みにもなっているから、上下線ともに恒常的渋滞が頻発する。
稀に二重や三重、酷い時には四重衝突が起きたりするから、俺は慣れているが注意しながら走行するんだ。

夕方アベックがやって来た。
冷蔵庫を探していたが、二人の意見がまとまらないようで、言い争いが起きていた。
彼女は店の暑さに耐えがたいようで、「早く決めてよ!」なんて文句を言っている。

優柔不断の彼はなかなか結論が出せないようだ。
「あの~配達はしてもらえるの?」と暑苦しい髭面で聞いてきた。
「夜、遅い方が良いんだけど・・・」と希望時間を言う。

「朝は問題ないが、遅い時間は危険だし、精々7時くらいまでですが・・」と応じる。
橋を二つ超えて中心部へ左折して最初の角にアパートはあったが、バリバリの新築だ。
アパート裏に10台くらい止められる駐車場があるが、1台も車は見当たらない。

アパートの玄関に近い駐車場奥に止めようとグル~ッとハンドルを切った。
目の前に丸く佇んでる白っぽいモノがある、近付くと猫である。
そろそろと止めようとスピードを落とすが、猫は逃げる様子が無かった。

座席からフロント越しの視界から猫が消えて、そして止めて車から降りた。
冷蔵庫を下ろして玄関に運び配達を終えて駐車場に戻る。
猫が車の左前方に佇んだままいた。

さっきのままで・・・
俺は猫を見た。
すると猫がやおら首を振って俺を見返す。

ガチーンと俺と猫の視線は火花を散らす。
すると、猫が目を切り上げて、あろうことか、「シーッ」と声を発するのだ。
俺を威嚇してる、早くここから出ていけ!と叱り飛ばしてる。

猫にすれば、自分の縄張りに無礼千万に入り込んで来られた。
不愉快極まりなくて怒り心頭であろうか?
俺は俺で、どうして猫に脅されなきゃならないのかと頭に来る。