リサイクル親父の日記

第52話 ペットも面倒みてくれる生活保護、仙台市はイイ所?

2010/08/09

ちょうど1年前に店に売り物を持って来た女性がいた。
夏ということもあるが、玉のような汗体中に浮かび出て、滝の様に滴り落ちていた。
小柄で痩せた女性であり、両頬が紅潮してて、白い湯気が立ち上がっていると言えば嘘かも知れないが・・・

「買取してもらえますか?」と紙袋をカウンターに置いた。
「ど、どうしたんですか?暑いけど、それにしても物凄い汗ですよ」と紙袋よりも彼女の状態が気になった。
「だってぇ~、柳生から歩いて来たの・・1時間はかかってぇ~」。

仙台市太白区柳生地区は、店から車で10分程度だが、歩けば1時間はかかるし、この真夏の炎天下を、と思った。
思えば去年は今年ほどは暑くなかったが、でも真夏ですから、今でもハッキリと覚えている。
センスのイイ食器類と雑貨であり、買取には問題が無かった。

その後も数回彼女は歩いて遣って来たが、ある時、「大きいから、今度マンションまで出張してもらえませんか?」と言う。
マンションの玄関口に雑貨に小型家具などを置いてあり、室内に入らずに買取をしたりした。
2~3回はそんな買取だった。

電話があって、「まとまったお金が要るの、ブランド品なども買取してもらえる?」と言っていた。
部屋の中に入ると、ローレックスにシャネルの腕時計、ヴィトンのバック2点、ダイヤ指輪などが並べられている。
「みんな状態がイイですね、使わなかったの?」と聞くと・・

「東京で働いていた時に買ったんだけど、ちょっとだけ使って、そのまんま、もう使わないし・・・部屋代が足りないから・・」。
歳の頃40歳、午前中のパートだから、マンションの1人暮らしとはいっても、それなりに生活費かかる。
ペットの犬もいるのだ。

次の次には、「冷蔵庫も大きいから売ります」と400Lを手放したし、しかし、仙台箪笥の3点セットは手放さない。
昨年末まで10回ほど買取をしたから、いろいろと会話もした。
仕事を見つけて働くが、時給が安くて生活ができない、とか、自分に合う仕事が無い、とか理屈を言っている。

俺は何とも時代錯誤な彼女の言い分に腹が立っていた。
稼ぎに合わせて生活を組み立てるの基本ではないのか、本気で忠告をしたことがある。
ペットは手放せない、マンションじゃないと危険だ、と言い訳をする。

今年前半に2度店に遊びに来た、その後は来てなかった。
先日、ひょっこり店に来たから、忘れかけてた俺はビックリしてしまった。
「今度、保護、受けるの、それで引越すの、来れなくなるしぃ~、遠くなるし」。

女性の1人住まいで健康で働く意思もある、そして可愛いペットもいる。
ペットもかえるアパートに引っ越しするが、失業してるから生活保護を出す。
仙台市って素晴らしい福祉政策ですね、本当にこんなことがあるんだね。