リサイクル親父の日記

第63話 観葉植物を寛容に世話してま~す

2010/08/22

俺のリサイクルショップは仙台のJR南仙台駅か徒歩10分弱と比較的近い。
マンションがそれなりに建っているから、その住人のお客さんもいる。
7~8年前に店に物を持ち込んで来たおばさんがいて、数日前にやって来た。

彼女が「あの時はお世話様でした」と挨拶したが、俺は全く覚えていない。
「?ん?アッ、そうでしたか!?」などと、分かったような分からないような相槌しかできない。
隠くした戸惑いは分かるらしく、以前のことを説明してくれるが、途絶えた記憶は復帰できない。

「・・それでね、又、お願いしたいんだけど・・歳も歳だし、世話するのが面倒で・・・」と言いだす。
「お店でね・・誰かに・・・ヌイグルミや雑貨など・・だからもらってもらえますか?」と継いでくる。
そうか、彼女は不用品を店に無料で引取して欲しいと考えていたのだ。

マンションは店から歩いて数分だから、紙袋を両手に提げて持って来ていた。
ヌイグルミが大小10個、粗品のような小物が数点であり、査定は出るか出ないかの物だった。
「えぇ、それではいただきます」と俺を言う。

「あの~、観葉植物も手入れが面倒になっているので、どうかお願いしたいんですが・・・
そのうちに、お父さんと持ってきますので・・・」。
「・・生き物は基本的に扱わないんですが、今回は受けますよ・・・」と答えた。

そして観葉植物が10鉢ほどが店に届く。
小さな鉢、高さ30~40cmが大半であって、1~2鉢は1mくらいの高さだ。
俺は枯らさないように毎日朝晩2回の水やりをするようになったのだ。

俺がどれほど不精かは、サボテンを子供の頃に枯らしてしまったことで実証されている。
リサイクルショップを始めた頃、盆栽を十数点扱って枯らしたこともあった。
だから今回は激安にして、早く売れることを目指している。

店の外側で水道蛇口に近い場所に置いてある。
水やりがし易いようにである。
数日後、彼女がアイスコーヒーのボトル2本を持って来た。

「本当に面倒をおかけしてしまい申し訳ございません、どうか納めて下さい」。
俺は仕事でリサイクルショップをやっているけど、売れば利益はあるから引き受けたまでだ。
「これはいただけません」と断るが、懇願されてしまい最終的には受け取ったけど・・・

こんな融通を利かせることができるのも俺の店の特徴だろう。
ギスギスしたことやシビアなことだけでなく、曖昧模糊としたことがあっても良さそうだ。
おおらかに朗らかなやり取りも又救いだろう。