リサイクル親父の日記

第88話 「こくとう」を買うか?えぇ、それなんですか?と聞き直しても・・・

2010/09/17

リサイクルショップでは買取大歓迎である。
仙台市内にリサイクルショップは相当数あるが、皆一様にノボリを立てて買取アピールに懸命です。
店に直接持ち込む人がいるかと思えば、買取金額を聞いてから持って来るという人もいる。

店に来た40歳代の男性が買取について聞きたいと言ってきた。
「こくとうがあるが、幾らで買う?」と、「こくとう」の意味がが俺にはピンとこなかった。
「こくとうって何ですか?どんな物ですか?詳しく教えて下さい」と聞くしかない。

「黒い刀だよ、長いのと短いの二つ揃ってる、台に乗ってるし・・こくとうだよ、結構する筈だが・・・」。
「そう?刀ですか?日本刀だったら許可証は付いてますか?」と聞く。
「黒い木でできたやつだよ!」といらついた様子で答えてくる。

俺の想像では、黒い木刀ではないかと思える。
しかし、これ以上突っ込んだ質問をすれば、彼は返答できずにキレるかも知れないようだ。
「値段と言われてもね、現物を見ないと・・特殊な物は査定はできませんよ」。

「大体でいいんだよ、5千円とか1万円とか・・」と食い下がる。
「う~ん、それはできないよ、責任持てないことを、特に値段は言えないしね、期待されても困るし・・」。
「・・それじゃ、持ってきたらいいんだな?」と不貞腐れ気味だ。

数日後、彼は「こくとう」を携えて来た。
黒檀の木刀大小セットであったから、「これは木刀ですね」と俺は言う。
「違う、こくとうだよ」と訂正してきた。

「どんな字ですかね、こくとうだから、黒い刀って書くんですかね?」と聞いてみる。
「??うん、そうだろ!」。
言葉を耳で覚えて、それも勘違いして憶えてしまうことがあるがと思った。

彼を待たせて俺はネットで「こくとう」という使い方を本当にあるかどうかを確かめた。
本来の品物自体は悪くは無いが、状態は光沢が無くなり擦れもあるから難しい。
「状態があまり良くないし、なかなか買取は難しいですね」とそっと言った。

「死んだ親父が持ってたんだ、何ぼでもイイから買取してくれよ」と彼は下手に出てきた。
遊び道具としての木刀としては販売はできるから、それ相応で買取をした。
「まだ古い物、親父が集めた物があるんだよ、又持って来るからさ、頼むぜ」。

でも通じない会話をすることに嫌気も湧くけど・・・
珍しい物を変な人が持って来るって・・・面白いかな。