リサイクル親父の日記

第90話 俺の乗用車が満杯、満タンでサイドミラーが見えないよ~

2010/09/19

リサイクルショップは出張買取にしょっちゅう出かける。
トラックは2トン車でアルミ板の箱型なので狭い場所は苦手で、目的地まで行けないことがある。
離れた場所に止めて台車を押して運んだりもするが、駐車場所を見つけるのに四苦八苦する。

だから買取品数量が少ない場合や小物の場合、或は、狭い場所は乗用車で行くようになる。
ハッチバック5ドアのライトバン型乗用車は、2ドアー冷蔵庫に洗濯機、電子レンジにガステーブルくらいは積めるから重宝している。
小型家具は問題なく積めるが、中型からは難しくなる。

効率と採算を考慮して、狭い場所でも行った方が儲かりそうであれば軽トラをチャーターしたりもするんだ。
臨機応変にと思っているが、いつも上手くいくとは限らないし、現場で荷物が増える場合もあったりする。
過日ブログアップした元芸者さんの買取の続きがあった。

着物に帯、べっ甲カンザシと櫛、帯留め、和装バック、下駄に草履、扇子類、などを再度買取にいたんだが・・・
玄関を入ると、廊下脇の居間にうず高くそれらが積み上がっていた。
たとう紙に包まれた帯と着物はゴッソリと数山をなしてた。

長方体形紙箱が数十個はバックに下駄、草履類である。
薄い紙箱はハンカチや風呂敷などが未使用状態で、しかし、変色もあるが相当数ある。
三味線もあるし、網代物入れ箱もあるし、三越の包装紙小箱にクリスタルグラスが入ってて十数個ときた。

珍しい物としては小歌や長唄の紐綴じ本など、それにちょっとHな昔のエロ本・・・
目の前の品々を見て、俺は積み込みできるかどうか心配がよぎった。
でも商品になるのであれば怯むことはできないし、2回に分けて運んでもイイのだと決心した。

そして俺は抜き打ち検品を夢中になって試みた。
しかし高い山はちょっとやそっとでは崩れはしない。
「リサイクル屋さん、全部引き取りして、値段は任せるから、時間かかってしょうがないしさ」

それもそうだ、積んで持ち帰り、店で検品する方がイイかも知れない。
「分かりました、それでは積み込みします!」と運動選手の様に大声で宣言した。
初めに箱類に小物を詰め込み、それを車に移動する。

たとう紙の着物と帯を両腕に抱えたが、ズルズル落ちそうなのを気をつけて運ぶ。
助手席にシートから天井まで、足元にも詰め込む、デッドスペースをつくらないように折り畳んで詰め込む。
後部座席も荷台も同様に上から下まで立錐の余地なんてありませ~~ん。

はてさて積み込み終了後運転席に着席すると、左サイドミラーが見えない、勿論バックミラーも効かない。
右サイドミラーは視界良好だけれど、狭い路地を頭突っ込みで来たから、帰りはバックです。
何とも危なっかしくてソロソロ進むが、電柱あり電柱の支線ありカーブあり・・・

これは楽しい苦労とでも言い表した方が適切である。
依頼者の意向もあり、一山で買取をしたから、店でじっくり検品して値段を付ける。
一山の金額は絶対損をしない査定だったから、幾らになるか心が躍る気分ってことだ。