リサイクル親父の日記

第96話 うめしゅは、うめぇっしゅって感じにいただきました

2010/09/25

リサイクルショップとは全く関係ない話も偶にはイイかも知れない。
小学生以来の友達だから、もう40年以上も付き合いとなる。

昔のことを考えると、俺も歳だよなぁ~と常套句が一緒に浮かぶんだ。

先日、その友達が奥さんを仙台に送って来た、帰りも迎えに行ったのだが、その合間に俺の店に寄ってくれた。
過日約束してくれた自家製梅酒を土産に持参した。
自家製というとありきたりに思えるが、これが実にヒストリーがイイのだ。

彼の家は旧家で、大きい木が茂る小高い場所にあり、敷地内の蔵は今も存在感がある。
彼の実祖母・お婆ちゃんが何十年も前に梅酒を作ったそうで、蔵の隅っこにあった瓶を偶然発見してしまった。
意識して見つけたのでは無くて、何気なく見つけてしまったという感覚だったそうだ。

それには仕込みをした数十年も前の日時が記されてあった。
液体の色は底にはどす黒さがあった・・が、捨てるには勿体ない気持ちが湧いた。
そこでコップに少し注いで、恐る恐る試飲したそうだ。

驚くほどの美味さを得た彼は、梅が発酵して浮遊しているカスを取る方法を考えた。
キッチンペーパーで濾してみると、しとしとと滴り、どす黒い液体は綺麗な澄んだ琥珀色に生まれ変わった。
遂に、熟成何十年梅酒は完成したのだ。

ボトルはワイン用を利用、500mlも入りそうで、肩が張っていて首が極端に短いズングリ型だ。
キャップは既に開けたから、短めである。
そのズングリ瓶に琥珀色が満々と注入されていた。

彼の芸は未だ続くのだ。
ボトル中央には10cmX15cm四方のラベルが、本物と見紛う茶色紙に梅の木が画かれて貼ってあった。
ウン!?、と思って凝視した。

「御館仕込」と読めた。
(おやかたしこみ)かしら?
或は、(おたてしこみ)か、俺は(おだってしこみ)と解釈してみた。

「おだつ、おだて」は方言で「冗談」とか「ふざける」となり、「ジョーク」とも解される。
お婆ちゃんは真面目に仕込んだに違いないが、(おやかた)より(冗談)仕込みが気分はイイかあ?
俺流解釈をしてニンマリしていただいた。

35℃焼酎がベースだから、酒自体はキツイ。
ところが独特の梅酒の香りと味は、熟成が深いのか濃密でまろやかなのだ。
うめしゅは、うめっしゅ!もう一杯、・・もう・・・酔いが回ってクラクラ・・・でした。