リサイクル親父の日記

第100話 やったぁ~、メゾネットだぁ~、ふ~っ、お疲れぇ~

2010/09/29

リサイクル品の出張買取で仙台市内や周辺地区に出かけるのが仕入れ仕事として大切だ。
一軒家、マンション、アパート、県営や市営住宅から、立派な家から振る屋からと様々。
リサイクル品も様々だし、お客さんもさ様だし、本当にバラエティーに富んでいる。

そんな様々な状況で、運び出し作業の難易度が大きく違うことがある。
一長一短があって、俺が考える作業性の良し悪しは、勿論出し易いかどうかに尽きる。
その最悪の建物があるのだ、俗に言うメゾネット型アパートである。

某有名賃貸住宅メーカーが主に建設しているので、意外に数が多くて、時々出張買取でぶち当たるんだ。
部屋番号を聞くと、201号室だったから、2階だと覚悟して行く。
その建物は一般的なものでは無くて、1階も2階も両方が1階に入口・玄関があるのだ。

101号室は玄関を入ると部屋なのだが、201号室は1階の玄関から直ぐに階段で2階に上がって部屋に続くのだ。
玄関から90度曲がって階段、登ってから又しても90度曲がる必要があるのだ。
階段の幅は三尺弱に作られているから、人が独りで行き来するには問題は無い。

ところが大きな家具や家電品を運ぶとなると、周りの壁にコツンコツンと知らないうちに当たってしまうのだ。
今日は何と5ドアー400L冷蔵庫があったのだ。
冷蔵庫幅が通路幅に近い、真っ直ぐに階段を下ろせれば問題は無いのだが・・・

2階で下がりながら90度曲がっていて、尚且つ、玄関でも曲がっているし、傾斜しないと高さが邪魔をする。
経験したことがある俺は告げた。
「この階段から、この大型冷蔵庫を下ろすには問題があり過ぎますので、やれません・・・」

お客さんは怪訝な顔をする。
「大きくて重いから作業中に壁に当たる場合あります、壁に傷つけたり、床にも跡が残ったりするかも知れません」
もし仮にキズに対して大家さんから賠償請求されたりしたら、利益はぶっ飛び大赤字を負ってしまう。

「そんなこと言わないでさ、頼むから下ろしてよ、俺も手伝うから、責任は取らせないから・・・」
お客さんに担保してからでないと手はかけられないから、その言葉を聞けば俺も安心して取り組める。
そして、お客さんにも手伝ってもらい、でも作業には細心の注意を払いながら、やっと下ろせた。

上や下に無理な体勢になりながらやったため、腰も腕もバリバリ張ってしまった。
お客さんは、「あんたの言ってことが分かった、本当に助かったよ、ありがとう」と感謝してくれた。
一見立派に見えるメゾネットの2階、俺はゾッとしながら後にした。