リサイクル親父の日記

第103話 やっぱり後だしジャンケンがイイようだが・・・

2010/10/02

買取の難しさは多々あるが、仙台市内へ出張しても不調だと落胆はある。
出張買取は1時間から2時間を要してるから、成果が上がらないと無駄走りと化す。
電話で聞いていた内容、買取品がイイほど落胆は比例して大きくなるが・・・

店に持ち込みしてくれる買取の場合も、稀に査定金額が合わずに不調となることもある。
しかし、買取品が店として欲しい物であれば、やはり落胆はあるが、実損までは無いので諦めもつく。
だから買取率をどの様に上げるかは、リサイクルショップとしての課題である。

俺はザックバランのアッケラカン主義として振る舞うことがシバシバある。
特に店で欲しいと思う場合には、外したくもないし、お客さんの希望に沿いたいとも思う。
「買取相場って、どうしてるんですか?」なんて聞かれたりもする。 

実際、買取査定は各店で違うのが普通ではないかと考えている。
仮に全く同じ物があるとしても、都会と田舎の場合、繁盛店とそうでない店などで販売事情も変わるから値段も変わる。
現に同業者が俺の店で仕入れたりもしてるし、その逆も時にはある。

自分の店のお客さんの把握と販売値段を知り得ているかが問われるのだ。
定番商品を主に販売する場合は事情が違うだろうが、一品モノはだから販売していて面白さがある。
先程、電動工具3点を売りに来た中年男性がいた。

新品が1点、良品が1点だから、俺は買取したいと思った。
検品しながら話しかけた。
「何処かの店で査定してもらいましたか?」

彼は素直に、実に素直に言った。
「今、2軒で見積もってもらったよ、ここが3軒目だから、少しでも高い方がイイし・・・」
これくらいで買取したいが、ここまでは出してもイイかな、そんな算段をしていた。

「買取したいから、前の店の値段を教えて下さい、それによって判断したいから・・」と申し入れた。
「1万1千円、次が1万2千円・・それより高ければ・・又、戻るのも面倒だし・・」と答えた。
俺は1万円で買いたいが、1万5千円までは買ってもイイかと思っていたのだった。

「分かりました、1千円プラスして1万3千円でどうでしょうか?」
「イイよ、イイ」話は簡単にまとまった。
「又、何かあったら持って来るよ」と彼は喜んで帰った。

高く売りたいという思いと、買取したい気持ちが一致する、利害が一致する。
だから後だしジャンケンのようだが、こんな交渉の方がハッキリしててイイ。
でも、絶対他所の査定金額を教えない律義な人もかなりいる事実もある。