リサイクル親父の日記

第117話 俺はプロだよ、と自慢してしまった・・仙台リサイクルショップ親父

2010/10/17

午前中に店に来たギャル2人連れがいた。
テーブル、コンポ、ジャーを出張買取して欲しいと言う。
詳細を聞くと、年式が古くて思わず躊躇するが、場所が近いから出向くことにしたんだ。

約束の時間にアパート2階の201号室に着いたが、チャイムを鳴らしても応答がない。
ケータイをかけると呼び出し音はするが出ない、と思ったら車に乗った彼女たちがアパートの階段脇に現れる。
ワンルーム内は綺麗に片づけが済んでいて、言ってた3点と台所のガステーブル、それにゴミ袋が2個しかない。

コンポとジャーは10年ほど前だったし、横長い机もそれなりだ。
「もう引越し荷物は運んだし、イラナイ物だけです、どうですか?」
心配げに俺に訊ねてきた。

「う~ん、何とかしましょ、ところでガステーブルはどうするの?」と今度は俺が聞いた。
「えぇ、いらないんですが、汚いし・・これでも良いんですか?」
「そうですか、ちょっと調べてみます、良ければ持って行きますよ」

オレンジのガスホースが俺には眩しく思える。
プロパンガス用は常時不足してるから、少しくらいの汚れは問題ではない。
魚焼きは1~2度使った程度、コンロの五徳は普通に汚れているが、商品としては大丈夫だ。

「大丈夫です、持って行きますから」と伝えると、二人は喜色満面に喜んでくれた。
「ところで、取り外しはできるんですか?」
最近は電気も含めて機器の取り扱いの全く分からない人を見かける。

「うん、俺、プロだから・・」と冗談で自慢してしまった。
「それじゃね、後学のために説明しておきます、あなた達もできるから・・・・」
元栓を閉めて、ホースバンドを緩めて、ホースを引き抜いた。

「ヘェ~ッ、うわ~簡単にできるんだ」と二人は大喜びした。
ギャルではあるが普通の若い女性だし、友達が片付けを手伝っていたのだ。
俺の子供たちと同じくらいの年齢だ。

男の性だとは思いたくないが、楽しいひと時と感じてしまったのは事実だ。 
どうでも良い知識が褒められてしまって、それだけで気分が良くなった単純な俺。
現代生活では何も知らなくても生活できてしまう、もっと原始的に基本をやっておくべきであろう。