リサイクル親父の日記

第118話 ディベロッパーに誘われても・・物と金と人も無く

2010/10/18

朝一番で出張買取に出て、店に戻ったら、駐車した車にスーツ姿の男性2名が見えた。
リサイクルショップの入り口まん前に止めて、二人は何やら話し合っているようだ。
車のナンバーは仙台でも宮城でもなく、他県ナンバーである。

俺は気になりつつも店内に戻り、買取品を始末した。
着席して一服してたら、先程の二人がツカツカと俺の前に直行してくる。
1人が名刺を差し出して、「xxxのXXですが・・・」名刺の社名は誰でも知っている会社である。

普段は飛び込み営業や押し売りは毅然と断るようにしている、時間が無駄だから。
相手の考えは想像がついたが、それを確かめてみたい気持ちが起きた。
俺も名刺を渡して話を聞くことにした。

「実は出店してもらえないかと・・・場所はXXXで・・・坪数は1000坪以上・・・いや、1階部分700坪でも・・・」
「そうですか、でも家具屋さんが入ってたんじゃないですか?」と俺は指摘した。
「急出ることになりまして・・それで困ってしまい、リサイクルショップがイイんじゃないかと・・・」

二トリの攻勢で地方の家具屋さんが大幅縮小している、そこも同様だったらしい。
リサイクルショップ業界も俺には家具業界と同じに思える。
大手チェーン店化した会社に攻勢をかけられて、地方の店は縮小傾向が表れている。

俺の考えを伝えてみた。
商品確保がリサイクルショップの場合は重要ですが、超大型であればある程これは難しくなります。
安定供給がなければ経営は成り立たないから、その問題を解決できないと無理ですね。
俺の店は、モノも金も人も無いから、とても出店など考えられないですよ。

「それでは、どちらか出店できそうな同業者を紹介してもらえませんか?」と方向転換してきた。
俺は県内の大きな店を1~2店口にしたが、紹介するほどの仲ではないのでヒントした程度だ。
「リサイクルショップは無理かな~」と呟く声がした。

ここ1年間で電話や来店で出店を誘われることが数回あった。
考えてみれば、仙台市内も郊外も県下のショッピングモールなどに空き店舗が増えている。
家賃を値下げしてでもテナントを確保したいという気持ちは分かる。

彼らに俺は言わなかったことがある。
彼らが考える家賃の安さと俺の考える家賃には大きな乖離がある。
埋めるに埋められない程の差であるから、俺はあえて家賃までの話はしなかった。