リサイクル親父の日記

第129話 高さ160cmの食器棚を、引取して欲しいの

2010/10/29

仙台市の若林区の中倉から来たおばさんだった。
「3年前に、この店で買った食器棚なんだけど・・引っ越しでいらなくなったの・・」
リサイクルショップとしては、俺の店で買った物と言われれば、まあお客さんでもあるし、できるだけ話を聞く気にもなる。

「この辺にこんな感じに置いてあったの、憶えてます?」と身ぶり手ぶりで家具置場の一角に置いてあるが如くに言うのだ。
「大きさはどれくらいですか?3年も使っていれば、キズも汚れも有ると思いますが・・・」と言ったら、
首を振って「全く無いわ、買った時と同じよ、だから引き取ってちょうだい」と強弁する。

「・・えぇ~と、高さが160cm、横幅60cm、奥行きは30cmかしら、大きくて重くて、わたしの軽には積めないから・・」
一気にまくしたてた。
「まぁ、現物を見ないと判断はできませんがね、行くのは構いませんが」と俺は応じた。

国道4号線バイパスから少し入って右折して、更に小道を100m進むとアパート群があって、もっと狭い道路沿いに目的アパートがあった。
おばさんは先に着いてたから、俺はトントンと階段を上って部屋の前に着いた。
ドアーが開いていたから内部が見えて、荷物のほとんど無い部屋に食器棚(?)があったけれど・・・

俺は聞いたんだ「食器棚は何処ですか?」って、だってそこにあるのは寸法が違い過ぎるのだ。
「これ、これですよ、わかるでしょ」とシラーッとおばさんは言った。
俺はショックが大きくて言葉が出ない。

それは、高さが60cmくらいしかない、食器棚に使えなくもないが、本棚、又は物入れ棚が正解ではないだろうか。
その上、20年以上も前のデザインで、俺が店で売ったとしても500円がイイところの品物なのだ。
あの時に、おばさんがスラスラと説明した寸法って何だったんだろうか?

軽でも十分に積める寸法である。
俺はおばさんを詰問する気にもなれない。
どうしてこんなに騙してまで低劣なことをするんだろうか?

悪意を持って騙す人には対抗できないとつくづく感じる。
例えば、もっと具体的に3年前に幾らで買ったのかと具体的に聞く必要があったのだろうか?
あんまりギスギスと聞いたり、詳細を聞くのもどうかと思っている。

性善説で生きたい俺は、疑心暗鬼に話をしたくは無い。
それは毎日たくさん(?)のお客さんとかに会っているので、猜疑心を持って接するのもアホらしい。
早く忘れよう、そして、性善説で・・・でも、ショックは大きくて、引きずってしまいそう・・・