リサイクル親父の日記

第130話 やります!下ろします!・・経費をかけずに済むから・・・

2010/10/30

仙台市の中心部は出張買取に行っても大変苦労する場所である。
俺の店には2トントラックしかないから、大抵はトラックで出向くことになり、駐車で四苦八苦する。
リサイクルショップは仕入れが安くないと販売も安くできない。 

だから経費を抑えて、人手を少なくするように努めるのだ。
雑居ビルの裏側出口方面は一通で、トラックを脇に寄せて駐車するだけでいっぱいだ。
正面玄関は荷物の出し入れには使えないらしい。

XX学院は社会人向けの各種資格の教室をやっている。
古くなったテーブルや椅子が大量に入れ替えのため不要になったから、買取して欲しいと依頼があった。
エレベーターで4階に上がると、そのフロアー全体をXX学院が占めていて、教室や事務室が6~7区画あった。

「物は古いし、キズも見受けられますね・・・買取価格から人件費を差し引くと・・・う~ん・・・」
俺は事務員に説明しながら、どうもマイナス査定せざるを得ないなあと思った。
「人が3人かかるでしょ、トラックに1人付けておいて、作業を2人は要るしね、それだけで結構かかるし・・・」

すると事務員は言い出した。
「あの、産廃業者に頼むと高額請求されるんですよ、だから・・お金がかからなければイイんですが・・・」
その気持ちは俺にも分かったが、3人かけるとなると難しい相談である。

「何とかなりませんか、我々も手伝いますから、2~3人は大丈夫ですので・・・」
その申し出は大変グッドアイデアであった、俺は乗った。
「そうですか、それではトラックだけ持ってきます、物はそちらで運んでもらえれば、お互いにイイんではないですか?」

「ハイ、分かりました、そうします、やります!下ろします!」と事務員の顔色は輝いた。
互いにできることをやるだけで、両方が安くあがるから、こんな名案は無いのだ。
経費削減というと仰々しいが、助けあったり、協力し合うことは必要だと思う。

一般の生活者として、もう少し優しく振る舞えれば、もっともっとイイ環境ができるかも知れない。
親切心が裏切られたり、敬遠されたり、無関心だったりする今日この頃だが、もう少し思いやりを持てればイイのだがね。