リサイクル親父の日記

第136話 ブツッと電話切りやがって!又、クレーマーですか、リサイクルショップ仙台の親父が

2010/11/06

買取依頼の電話があれば、最初に物のことについて聞いて、それで買取できるかどうかを判断する。
仙台も地域が広くて、1時間以上かかる場所もあるし、仙台以外からも電話がかかってきたりもする。
初めは物について聞くのが普通であり、段々可能性が高まってから、場所を聞いたりする。

逆に物について聞いていって、それらが買取できない物ばかりだと落胆が大きくなっていく。
それでも説明を一生懸命してくる人もいるから、そんな時には断り方がちょっと厄介だったりしている。
俺はベランメー調の話し方をするらしく、時に顰蹙を買い、それが高じてお叱りを受けることがある。

かなり年配の男性である、当然、物について聞いた。
「物はだな、う~んと、カラオケ、8トラだよ、テープも4箱、揃ってるよ、うん、使えるよ、問題ないぞ・・・
う~ん、それにだ、8ミリカメラだ、映すヤツ、何て言ったっけ、それも有る、でも故障してて、直せば使えるぞ・・・」

「ハイ、カラオケと8ミリカメラですね、その他には何かありますか?」
こんな説明の仕方をする人には数回あっているから、俺は用心して大人しく催促した。
「そうか、まだあるぞ、物は少し古いが、張り替えを10年前にしたソファーだ、まだまだ立派だよ・・」

どうやら物を高く売りたいらしく盛んにイイことを熱弁するのだが、どれも買取できる物ではない。
「すいませんが、全部買取は難しいですね」
「できねぇのかよ?どうしてだ?・・・それじゃ、何処へ売ったら良いんだ?」

「ちょっと現在では、何処でも難しいと思いますが・・、ウチは無理ですよ」と念を押した。
すると相手は無言になってしまう。
だから俺は受話器を置いたのだ。

5分後、電話があったから出ると、「おめぇ、ブツッと電話切りやがって!」ときた。
「そんなことしてませんが・・・」取り合えず一度主張しておく必要があるのだ。
「ふざけるな!切っただろ?お客に対して失礼だろ!」怒りは噴き出す。

「電話帳にだよ、電話してくださいって書いてあるだろうが、だから電話してやってんだよ、えぇ!」
「はぁ、????」と聞くしかない。
「大体だよ、買取するって言うからよ、・・・俺はXXだぞ・・・」

遂に正体を現した。
こんな場合は言うだけ言わして、我慢しながら聞くだけにしないといけない。
10分も話し続けていたろうか、やがて電話を切ったけど・・・