リサイクル親父の日記

第137話 古いマンションで10階で、距離があってぇ~~頑張れ、仙台リサイクルショップ親父

2010/11/07

仙台市の河原町は中心部にも近いし、新旧が混在していて、幹線道路は広いが中通りや裏通りは狭い。
そのマンションは以前にも出張買取に行ったことがあった。
駐車場は地下なので、普通車は入っていけても店のトラックでは到底無理だ。

だから幹線道路も交通量が多過ぎるし、それに建物から段差階段を通って曲がってと大変遠くなる。
必然的に側道の一通に路駐するのだが、電柱があるし、他所の建物にかぶさったりするから注意がいる。
そんな事情で早朝に引取をする方が理に適うのだ。

しかし、依頼者のお客さんが管理人に伝えると、早朝では住人に騒音で迷惑がかかるからと、時間変更を指示されてしまう。
俺が直接管理人に電話をして、できるだけ静かに運ぶから決して迷惑はかけないと、幾ら言っても聞き入れてもらえなかった。
午前中の車通りの多い時間帯にやる羽目になったので、どうしても1名増員してトラックに貼り付けた。

古いマンションで築40年くらいだろうか、見た目でもギクシャクしている感じを受ける。
エレベーターの速度が遅いから、10階までは暫し時間がかかるし、住人が乗っていれば荷物を積めないからパスする。
そんなこんなでエレベーターを待つだけでも相当なロスが出てしまう。

1階エレベーターホールから台車で運ぶにも、内通路を半周して外に出て、更に、建物周りを半周してやっとトラックに着く。
通路のコンクリートも経年変化で少し凸凹しているから、台車がガタガタいうし時々ひっかったりする。
1回の作業で相当の時間がかかってしまうから、早朝作業に比べると3倍もかかっている。

2LDKを事務所にしていて生活用品は無いけれど、事務机数台にロッカー、冷蔵庫など家電などなど・・・・
俺らは行き来の回数で30~40回は要した。
兎に角、黙々と作業をする。

そんな俺らの脇で依頼者のお客さんたち二人、母親と娘さんは、佇んで見守っている。
「ほら、あそこが神社よ、あっちが駅だわ」とか「10年振りに来たけど、街が変わったわねぇ~」と会話している。
俺は話しかけた「昨日仙台に来られたんですか?いつお帰りですか?」

「えぇ、昨夜ね、それでゴミや書類を片付けたの、たくさんあって大変だったわ」と娘さん。
「もう仙台には来ないと思うし、何処か温泉でも行ってみようと・・・」と母親。
仙台に事務所を設けて最初の2~3年くらいは使用したが、その後10年以上は使わなかったそうだ。

どんな仕事かは知らないが、不況の時代でも世の中には余裕のある会社もあるのだ。
「リサイクル屋さん、大変だったでしょう、本当に助かりましたわ」
その言葉で俺も報われるが、上から目線であることに少し・・・・、でも、無事に終わって一安心。