リサイクル親父の日記

第140話 先生って呼ばれる恥ずかしさや、リサイクルショップ仙台親父のくすぐったさ

2010/11/10

仙台市の町中で現在地下鉄・東西線の新駅工事中付近で工事中の柵が多い場所。
先日見積して、今日は引取日だったので朝一番で向かった。
上品な奥さんと紳士的旦那さんだから、どうぞとお茶をすすめられるが・・・

「すいません、時間がないから・・」と辞退して、急いで買取品の荷づくりにかからせてもらった。
品定めは終えていたが、それでも見積リ品以外の品々を奥さんは出してくる。
その都度、俺は手を止めて検品するのだった。

「リサイクル屋さん、これはどうでしょしょうか?お幾らになります?」
その度に俺は1品を手にとって、よ~く見て、キズが無いかとチェックして、そして箱に元の状態に戻して、査定の説明をする。
「この焼き物は状態がイイのですが、不況のせいも有り、実際販売となるとなかなか思うようにはいかなくて・・・」

「この絵はどうですか?」
「こちらはリトグラフですね、退色が相当ありますので・・・」
と、現状の販売状況やら査定結果を伝えると、だんだんと奥さんは落ち込むのだった。

「あなた~、お安いけど、どうしますか・・・」と旦那さんに相談する。
「お前に任せるよ、お前が要らないなら、値段ではなくて、処分しても良いんだよ」
「そう?・・それじゃ、リサイクル屋さんにお願いしますから・・・」と意を決した。

俺は荷づくり、搬出に追われていた。
でも奥さんは廊下や玄関に飾っている物について、どれ位かと訊ねてくる。
俺も忙しなく動いているから、だんだん説明が簡潔になりズバッと言うようになっていた。

積み込みが終了した頃、奥さんは再度お茶を勧めてきた。
どうやら今後も買取品が出そうな気がしたので、俺はお茶をいただくことにした。
リビングにも良品が並んでいるので、俺は少しそれらの解説をしてしまった。

「あら、リサイクル屋さん、いや、先生はお詳しいですこと・・・先生は色々知ってますね・・・」
どうやら、リサイクル親父は先生に格上げされてしまった。
「よして下さい、先生だなんて!」大慌てで俺は否定したんだ。

「だって、色々知ってますでしょ、先生ですわ」だって、俺は顔から火が出てしまった。
知ったかぶりをしてしまう愚かさが招いた無知なリサイクル親父でした~~