リサイクル親父の日記

第147話 姉妹の仲が終いらしい・・・仙台リサイクル親父も同情っす

2010/11/17

出張買取だけが仕入れではなくて、持ち込みの買取をするのもリサイクルである。
今日昼ごろ風呂敷包みを提げて、更に大きい紙袋を提げて来た女性がいる。
初めて来たからか、キョロキョロと店内を見回していた。

風呂敷はその形から着物が包まれていると想像できる。
紙袋には小さい木箱が数個あるようで、それぞれに紐が十字に掛けられている。
一旦彼女は店内の奥へ歩いて行ったが、そして、レジに勇を奮って向かってきた。

「こちらは、こんな物でも買取してもらえますか?」と机上に荷物を上げてきた。
売りに来ても初めてであれば店の様子を確かめてから、申し出るのが一般的である。
「母の物ですが、古くてダメですかね?茶器や焼き物はちゃんとしてると思いますが・・・」

俺は検品を始めた。
着物3枚、帯1枚は古くて、シミが浮いている。
茶碗と和食器は古いが未使用状態だ。

俺が示した査定金額に対して彼女が答えた。
「茶碗などは止めます、誰かにプレゼントしますから・・・でも、着物は無料で置いていきます」
高くは査定できないが、俺はソコソコは出したつもりだった。

彼女の住所から察すると、何ヵ所かのリサイクルショップに行ったが、何処でも断られたようだった。
「母が亡くなってもう3年ほど・・・古い家は7部屋あるが、物がたくさんあって・・・片付けができないの・・・
わたしは別に住んでいる、妹は関東にいるけど・・・空き家状態で・・・どうしようもないの」

「もし片付けの時にイラナイ物があれば買取しますが」と申し入れた。
「でも、妹は凄く価値があると思ってて、片付けに猛反対してて・・・でも、自分では片付けしないし・・・
電話でいつも喧嘩になるの・・・どうしようもないの・・・税金と草取り費用が毎年かかってて・・・」

八木山という急傾斜地の家は解体するにも費用が嵩むし、売却でも地価が安くて費用を持ち出すかも知れない。
「父の退職金を母が全部買い物につぎ込んだの・・・買い物依存症だったの・・・」
話を聞きだすと、人がそれぞれに負っている問題が見えたりすることがある。

両親が亡くなった、姉妹二人で後片付けをすべきだが、折り合いが悪くて進捗していない。
そんな姉妹の関係も破綻している。
原因は定かではないが、現実は厳しいし、上手い解決もないらしい。