2010/11/19
俺のリサイクルショップの真向かい、同じ敷地内に仙台で名の通ったラーメン屋さんがある。
「味よし」という名前は結構有名で、相当な店舗数が仙台を中心にして県内各地に有る。
のれん分けしているようで、各店舗は独自経営のようだ。
この場所で営業したのは俺の方が早かった。
以前は食堂の様な居酒屋の様な店だったので、俺は時々夕飯と晩酌を兼ねて通っていた。
ラーメン屋さんになってからは足が遠のいている、ラーメンを毎晩では辛いものがあるし・・・
特有の味があってか、常連さんも結構いるし、繁盛しているようだ。
稀に俺の店に来たお客さんにラーメン屋さんのことを聞かれたりする。
「美味いの？」とか、そんな時には「常連さんもたくさんいますよ、ファンが多いですね」と答えている。
俺が暇な時に気分転換に外に出たりするとラーメン屋さんの親方も出てたりする。
二人で眼が合って目礼するけど、同時に気まずさも感じるものだ。
俺の方は開店準備はアッという間に終えるけど、ラーメン屋さんは開店の３時間前から来ている。
入口には「準備中」の看板をかけて作業をしている。
今日午前中に来たお客さんが、ツカツカとレジの俺に向かって来た。
「ちょっと聞きたいが・・・」と言っているから、俺は彼の顔を見上げる。
リサイクルショップにきて聞くのだから、買取品、探し物なのかと思った。
すると大真面目な顔をして「ラーメン屋、準備中の看板だけど、潰れたのかね？」だって。
俺は返事に窮してしまった。
「・・え？・・潰れてませんよ、準備中でしょ？・・まだ開店には早いでしょ？」
「そうかい、何時からやるの？」と又しても真面目に聞いてくる。
俺は壁掛け時計で時間を確認した。
「１１時半からでしょう、今、１０時半ですからね、準備中・・・」
俺の話を遮って「１１時半ねぇ～」と不思議そうな顔だ。
どっちが可笑しいのか分からなくなってしまったんだ。
彼の時刻は特異なのだろうか、変な感覚が俺には妙に面白かったけど・・・