リサイクル親父の日記

第155話 優しい骨董屋さんに感激?まだまだ仙台リサイクル親父は・・・

2010/11/25

宮城県の仙台と石巻をベースにリサイクルショップを展開している俺。
この道10数年の経験だから、それなりに同業者の知り合いも増えた。
独立独歩で唯我独尊を好む俺は、積極的に同業者とは交わらない性質がある。

能天気で楽天家の俺は、同時に誰にでもどんな話も軽くペラペラ喋ってしまうらしい。
その性格ゆえに後日苦い思いを何度となく経験している。
考えている事や持っている情報を隠しておけないから、得意気にペラペラ話してしまうのだ。

20代半ば頃から、自分自身に少し自信ができてから、潜在していたその性格は開花したようだ。
その結果、災いも有ったのでリサイクルショップ開業後は自戒して、交際も控えている。
じっくり時間を掛けて観察して判別している。

そんな付き合い方でも判別は可能で、時間の経過とともに何人かの心の許せる知合いの同業者ができてきた。
利己的に考えると判別も失敗して利用されるが、単純に人間性をじっくり見れば間違いが少ないかも知れない。
それに互いに商売があるので、持ちつ持たれつ、ギブアンドテイクの精神がないといけないのだ。

骨董屋さんの買取現場では、骨董品以外の物や大きめの家具なども対象になったりするようだ。
先日、知合いの骨董屋さんが俺の店の近くで買取があり、そこで飾棚があったのでと持って来てくれた。
セリでの相場観は互いに有る、それに状況も加味して俺は査定したんだ。

査定金額に満足、或は納得してくれたので、商談は成立。
その後に店内を見て回っていたら、ある骨董品を持って来て一言。
「これは有名な「作家物」ですよ、知ってて値段付けたんですか?」

その言葉が終わる前に、俺はハッとした。
値段の付け方が一桁少ないのである。
慌てて弁解した、「名前が読めなくて、それに急いで陳列してしまって・・・やっぱりそうでしたか?」

次に「その値段で買ってもらっても結構です、俺の失敗だし」と付け足した。
「ダメダメ、ちゃんと店で売ってください・・・・昔はそんな失敗をしてました・・・
そうやって勉強して何とかなるんだ・・・」俺の胸にズシリと響く言葉だった。

「でも気をつけないと・・相場通りばかりになると、売れなくなるから・・・・
だって、お客さんは掘り出し物を探しに来るんだから・・・そこら辺が難しい・・・」
相場を知れば済むことではなくて、相場を知ってからどうできるかが大切なのだと知らされた。