リサイクル親父の日記

第162話 奇妙な忘れ物・・仙台リサイクル親父が~~~

2010/12/02

リサイクルショップも奇妙な商売だと思っている。
人のいらないモノや余ったいるモノなどを販売しているのだ。
しかし商売の原点とも思っている。

欲しい人への橋渡しという意味は、シルクロードとも通じる。
お客さんが時々忘れ物をするのは、どこにでもあること。
昨日夕方に店の通路床にケータイが落ちていた。

ちょうどお客さんが切れて俺がトイレに行こうとした時に見つけた。
店に来たお客さんたちを思い出して、該当者らしき人はいないかと考えた。
トイレに行く前の時間帯を思い起こしたら、何人かのお客さんが浮かんだ。

閉店時間まで数時間あるから、忘れたことに気付いて戻って来るだろうと想像した。
1時間後くらいに、そのケータイの呼び出しがうるさい着うたで鳴った。
本人が失くしたケータイに掛けてくるのがベストだが、知合いが掛けてきたのだった。

「持ち主が忘れていきました、ここはリサイクルショップです、預かってますが・・・」
状況を察したその人は「それでは、本人に何とか連絡して伝えるよ、電話させるよ」と乱暴な口調で言った。
ついでに何かヒントがないかとケータイを少しいじったら・・・

着信履歴に「XXX会長」「インサイダー」など、どうも奇妙な登録名が現れた。
それにケータイの電話器が見たことも聞いたこともないメーカーだから・・・
不気味で気持が悪い。

それでも知合いが本人に連絡するからと安心はしたが、待てど暮らせど本人からは電話がない。
閉店時間にもないから留守電に切り替えて帰ることになった。
今日の朝、出勤して留守電をチェックするが本人からは電話がなかった。

思案して、遺失物をして近くの交番に届けた。
10時半頃、昨日も来た知合いの客さんが顔を出した。
ノッソノッソと入って来て話す。

「昨日はどうもね・・」
普段から100円とか数百円の買い物をして、尚且つ、取置きさせられる始末の悪いお客である。
俺は昨日は取置きしてないがな~、と不思議に感じた。

「ケータイだよ、返して」と無愛想に言ってくる。
「・・?・・・ケータイ?・・さっき交番に届けたんですが・・電話も来ないから」俺は伝えた。
不機嫌な顔になって「うん~?、面倒くせえな」と嘯いていた。