リサイクル親父の日記

第172話 あんまりだよ、社長さん・・

2010/12/16

今年ももう少しですが、急に真冬並みに気温が低下してしまった。
寒くって俺には辛い、特に朝と晩がね。
ズーズーと鼻水が頻繁に垂れまくってしまう。

先日、仙台市青葉区の中心地のビル4階に事務機の出張買取見積もりで行った。
数年前までは業績好調だったらしいと想像ができる陣容に思えた。
40~50坪の事務所内は整然としていて、パーテーションで数区画に仕切られていた。

しかし、事務員2人と年配の社長さんの3人しか居ないから、ガラ~ンとしている。
事務関係の場所だけを点灯しているが、その他は消灯しているから薄暗い。
中に入ると、カウンター脇のミーティングテーブルに案内された。

直ぐに社長さんがワイシャツ姿で対応してくれる。
「景気悪いから、事務所を縮小するんだよ・・・3分の2以上要らないから、見積して・・・」
お客さんはいないしBGMもない、社長さんはガラガラと大声で喋るから良く聞こえる。

不用品リストを頂いて、俺は事務機を検品するため事務所内をウロウロした。
時々、疑問を質問したりしていた。
「ロッカーのカギ?分からんよ、何処にあるか・・」憮然とした返事が。

「いつ頃の引取になりますか?」と質問した。
「来年1月中かな・・・小さい所に引越し・・みんなクビ、その時はクビだよ」
2人の事務員にも聞こえる大きさだ。

「もう2年間も赤字続きだよ、全く!」
何かに癇癪をぶっつけている、見当外れの。
その脇で1人の事務員が社長さんに尋ねる。

「あの~手形の決済ですが・・・・」
小声で言ってたが、俺にも漏れ聞こえた。
「幾らあったけ?・・・う~ん・・」と唸っているのだ。

「ところでリサイクル屋さん!買取は何ぼになる?」
この古い事務機を売って手形決済資金かよ、と思える切迫感を感じる。
「そうですね、後日連絡させていただきます」と俺は退室したんだ。