リサイクル親父の日記

第173話 寂しさが残る同業者の閉店かな

2010/12/19

数週間前に同業者が俺の店に来て、お互いの業容を話しあった。
その次の日にも別な同業者が来て、又しても同様の話をした。
誰もかれも、勿論俺も異口同音に嘆きばかりに終始したんだが・・・

俺らの様なリサイクルショップ、個人経営の零細な店は何故凹んでいるか?
創業時から振り返って考えることがシバシバある。
10年以上前までは、業界は店舗数が少なく、開業すると誰しもが業績良く経営できたものだ。

それが数年続いていたから皆は自信過剰になって浮かれていた。
その後、出店ラッシュが起きて、そして店舗過剰と激戦が展開された。
要するに供給過剰と値下げ合戦というある種の必然が出てきた。

これが5~6年前に起きていて、終わりの始まりだったようだ。
それでも次から次に新しい店が開店しては数年で潰れたりしてた。
俺の考えでは、「物取り合戦」と呼ぶけれど、この合戦に負けないことが重要なのだった。

一方では全国展開し始めた連中がガリバー化してきて、圧倒的な店を繰り広げる。
その規模や資本力に俺らは敵う筈もないから、ますます苦境に立たされ続ける。
知合いの同業者も話を聞くと、創業から終業までは同じ流れをたどっていた。

その同業者が突然「店を明日閉めるから・・」と言ってきた。
だから倉庫と店舗内の商品を買取することになった。
セリの相場もお互いに知っているから、それなりの価格で買取をした。

俺も倉庫に在庫を持っているが、そこの倉庫の約半分はゴミに近かかった。
店舗でも俺の店にそぐわない物が半分以上あったから、全体で半分くらいを買取ったという結果。
「できるだけ、できるだけ減らしてください、そうしないとゴミ代が大変なんで・・・」

二日かけて選別してできるだけ持ってきたが、可能な限り買取金もアップしたが・・・
作業中に色々話をしたが、これまでとは違う感覚が襲ってきた。
同業としての同士から、別々の道に分かれて進む惜別の情が湧いてきた。

「これからも大変でしょうが、お元気で・・・」
それを言うのが精一杯の俺だった。
「ありがとう、あなたも頑張ってください」と、それでも言葉を返してくれた。