リサイクル親父の日記

第183話 ポッカーンとするおばちゃんに、仙台リサイクル親父のギャグ

2011/01/16

仙台市にあるとはいっても、郊外を走る国道4号バイパス沿いのリサイクルショップ。
大きな敷地が道路沿いであり、俺の店は敷地の中ほどであり、前面に他の店が数軒あるからから分かり難い。
店を構えて10年以上も経つが、未だに近所の人でも初めて来たと驚いたりしている。

それほど分かり難くて目立たないらしい。
俺の経験でも、失くした物が机の下にあって気付けないとかもあるし、関心が無ければそんなものであろうか?
俺としては地域に浸透したと過信もあるが、それほど人々は興味が無いことには無関心なのだ。

おれの店に比べれば、競合する他の店店はバーンと本当に道路沿いにでっかくやっているからね。
人は人、俺は俺と思いつつ日々を重ねるが、勝つことはあり得ないが負けなければ良しと思っている。
開店から数年間はお客さんがごった返すこともあった。

もう何年もそんなことは起きていないし、時々、それも一瞬くらいはお客さんが輻輳する程度。
少ないお客さんにじっくり接客して常連さん作りに精を出している。
そんなペースが俺には合っているのかと合点したりする今日この頃。

初めて買いに来たおばちゃんがレジに数点持って来た。
「この電球、ちゃんと点くかしらね?」と聞いてきた。
「新品ですから、もし点かなければ交換できますよ」と答える。

「これ、これは花を切るやつ?」と次の質問がきた。
それは花切りハサミであった。
生け花の類、剣山や花器のコーナーに陳列してた物である。

その時は、たまたま別のお客さんも居て、そちらに気を取られていた。
でも俺はおばちゃんにジェスチャーで応えた。
俺の鼻の前に手をかざして、そして人差し指と薬指をパチパチと開閉した。

花と鼻をかけて、指で切る真似をして、「花を切る」表現をしたの。
ところがおばちゃんはジェスチャーの意味を理解しない、首をかしげる。
3~4回も俺は繰り返したが、やはり伝わらなかった。

「ウン、ハナを切るんですよ、大丈夫、俺の鼻じゃないけどね」
ジョークを説明するくらい虚しいこともない。
俺の親父ギャグはいつも空振りをしているからね。