リサイクル親父の日記

第194話 関西人2連発でっかぁ~~キツイわ~

2011/02/05

おっとり型のろま人間の俺は、シャキシャキ型やパリパリ型のペースに付いて行くのが苦手。
まぁ店というか仙台では、結構マイペースでも違和感を感じることは無い。
全体が似たようなペース、東北人としてのペースが染みついているということだ。

仙台市卸町は、その名の通り問屋関係など事業所が集積してる地域である。
開発当時は用途指定があったので仕方がないが、最近その規制が解けたらしい。
本社が大阪の仙台営業所に見積に行くと、1人しかいないが、その所長さんはえらく調子がイイ。

「御苦労さん、それも、これも・・みんなやな・・持って行けへんし・・・」
どうやら苦手な関西弁です。
とても優しそうな耳触りの良い流暢な喋りで、俺はその調子に気持が和んでしまう。

「えぇ、分かったかいや・・・仰山出してな・・できるだけ高こう買うてや、期待しとるさかいに・・」
最後の言葉で俺は我に返る。
事務機類がトラックに1台分くらいはあるが、できれば買取したいと思った。

店に返って見積書作成のためにキーボードを打ち始める。
上下ライトグレー色の作業服姿でネクタイ、頭髪をビシッときめてる男性が店に入って来る。
早足で店内を一巡すると、彼はスーッと店を出たから、ちょっと変な感じを受ける。

間もなく再び彼は店に入って来るが、その後ろに立派なスーツを着て、襟にピカピカ光るバッジを付けたべっ甲縁眼鏡の紳士がいる。
ノッシノッシと歩くが、威厳があるし堂々としている。
骨董コーナーを一巡したら話しかけてきた。

「これエエな、色がたまらんわ、九谷やろ?わしも少し持ってんのや・・・これ何ぼにしてくるはる?」
そして、「あれもや、萩焼の花入れもや・・二つ買うさかい・・・遠くから来たさかいに・・な、頼むさかい、勉強しておくれやす・・」

俺は交渉しながら、先導役の彼のユニフォームの胸の社名を確認する。
誰もが知っている某メーカーである、道理で恰幅も良く威厳もあるのだ。
「大社長さんが、遠くからですから、旅費の足しにもなりませんが少し引かせてもらいましょう」

「ほんまかいな、嬉しいわ、今度来たら、又、寄らしてもらいますわ、おおきに」
2点を桐箱に詰めて袋に入れ、彼に渡した。