2011/02/06
中年女性からの買取依頼の電話があった。
「新品の自転車だけど、買って乗ってないの、幾らで買ってもらえますか?」
査定にはスペックというか、どのようなモノか、或は、幾らで買ったモノかなどの情報が必要になる。
だが意外に、単に品名だけで、まして電話で即値段を尋ねる人が多いのだ。
思うに、本人は現物を目の前にしてるから、舌足らずでも伝わっていると錯覚しているらしい。
それに早く買取値段を知りたいという欲求にかられてもいる。
俺も相当リサイクル屋をやっているから冷静に対応はする。
「新品ですか、幾らで買った物でしょうか?」と聞くと、「1万7千円です」と返ってくる。
「自転車の状態はどうですかね?」と続けると、「家の中に入れてあるから、すっごくイイですよ」と自慢する。
「どうして乗らなかったんですか?」と訳を知りたくなった。
「子共が学校に通うって言ってたのに・・・使わなくて、それで、ずーっと家に置いといたのよ」
最近の子供は我儘が多いし、気が変わるってこともある。
「ところでどれくらい前に買ったんですか?」、「・・2年前かしら」
「最終的には自転車を見て査定しますが、おおよそx千円からX千円ですね、それで良ければ出張します」
そんなやり取りをして今朝買取に行ってきた。
住所を聞いた時にまさかアパートとは思わなかった。
マンションでそれなりに部屋があるのかと想像したが、だって2Kのアパートに自転車を保管してたんですよ。
それも2年間もです。
親子二人暮らしらしいが、部屋も広くはなくて狭い。
自転車は部屋の約半分も占領している感じを受ける。
そこに使わない自転車を・・・俺には考えられないし、耐えられない。
使わないから状態はイイのだが、メッキは少々曇りだしてるし、ボルトナットが少し赤茶けている。
査定は低い方の値段になったが、彼女は安堵の笑みを浮かべている。
「助かりました・・・清々したわ」だって。