2011/02/09
「・・えぇ、そちら様では事務機とかの買取はやってますか?・・・古いとダメですよね・・・
10年以上は経ってますが・・・半分は20年以上も・・無理ですよねぇ・・・」
彼の口調は静かでオドオドしている感じを受けた。
最初は黙って聞いていたが、俺もじれったくなってしまう。
「ちょっと待って下さい、事務机ですね、何台ありますか、色はどんな色ですか?」
俺の知りたいことを質問する。
「色ですか、10年くらいの物は白っぽいです、20年以上の物はグレーです・・・やっぱり無理ですよね?」
途切れ途切れにしか聞こえない声、それは周りを気にして小声で話しているらしい。
「ダメならダメでイイんですが・・・見積だけはしていただけないかと思って・・・・お願いできないですか?」
下手に出ていて謙虚そうバカ丁寧には思えるが、何せ説明がじれったくてイライラしてしまう。
事務機類は、机、ロッカー、椅子、書庫とトラックで2台分はありそうな量だ。
俺の店も事務機は在庫が少なくなりつつあるし、春先は事務機は売れ具合がイイから、できれば買取したいと思った。
「分かりました、見積はいつがよろしでしょうか?」と聞く。
「そ、そうですか・・来週の前半でお願いしたいのですが、無理ですか?」
どうやら何でも消極的な考え方をするらしい、俺とは真逆の言動だなと思えた。
「それでは月曜日の朝にしてください」とキッパリ伝える。
「そう・・そうですか、有難うございます、よろしくお願い・・ます」と聞こえた気がする。
その朝、出勤で社員さんたちがドンドン入室してくる中、パーティーションで仕切られたミーティングデスクに対峙する。
一見綺麗な配置図とリストを示してくるが、詳細に説明を聞くと、記入漏れや品名のいい加減さが見つかるのだ。
「・・すいません・・何日もかけたんですが・・色々変更が・・・修正が終わらず・・・・分かりますか?」
その後に、社員さんたちが着席している間を縫いながら俺らは現品を現状のまま確認して回る。
先導する彼は、他の人たちに遠慮しいしいオドオドしながら案内している。
こんなに低姿勢で控えめで、どうして仕事ができるのだろうかと疑問も出る。
そんな摩訶不思議なXXX公団の事務所見積であ~る。