リサイクル親父の日記

第213話 出戻りを即売しちゃうの

2011/02/27

数年前に常連さんが買った和風電気スタンド。
高さが1mくらい、傘は円筒形で直径50cm、山水模様だある。
下半分が九谷焼で和装美人が描かれている。

常連さんは趣味品が買い過ぎて、増え過ぎてしまった。
部屋に置いても邪魔にはならなかったが、他の物が溢れてしまい置き場に窮してきた。
そこで、それを売った俺の店に下取りさせて、別な物を買う足しにしたのだ。

骨董品的部類では時々あるケースでもある。
お客さんが気に入って買ったが、時間が経つに従ってもう少し上手の物を欲しがる。
予算があるし、上手の物を手に入れれば、初めに買った物が要らなくもなる。

好みが上がっていく、だんだんと上等な物が欲しくなっていくようだ。
俺も何度も経験している。
ゴルフクラブを数回買い替えたり、腕時計もそうだし、まあ、人間の性でしょう。

趣味の場合は、嗜好が変わるということもある。
骨董の雰囲気を楽しみたくて、低級品から買い始める。
次第にハマってしまい、所謂「骨董貧乏」と化してしまうこともある。

自分の使えるお金の範囲で、自分だけの楽しみを感じるなんて、ある意味の幸せでもあろう。
骨董屋はプロだから、お客さんを上手に手玉に取る場合もある。
しかし、俺は骨董のプロではない、リサイクルショップが主である。

お客さんに頼まれれば、できる範囲で探すが、お客さんに骨董品の売り込みはしない。
全品に価格を付けて置くのがポリシーであり、リサイクル品と同列に扱う。
「非売品」は無いし、値札の無い物は置かない。

そんな理由で出戻る品々は一度儲けているから、損しない値段で早く売りたいと思っている。
何故なら、初めの陳列で目にしたお客さんも居るかも知れない。
安価だから即売の可能性が高く、殆どが売れてしまう。