リサイクル親父の日記

第217話 おいおい、まだ寝てたのかよ、なんて親戚でもないのに

2011/03/04

2月から3月は、兎に角学生さんの引越しで大忙しなのです。
それに社会人の引越しも重なるので輻輳甚だしい時期です。
リサイクルショップは多忙を極める訳で、俺の店もソコソコに忙しいんです。

出張買取予定を次から次に入れるが、1番目と2番目くらいは予定時間の範囲でこなせる。
でも、3番目以降になると約束時間がズレる場合が往々にして起こる。
それでアローアンスを長くしてスケジュールを組むことになる。

「その日は2件決まっているので、その後ですが・・・11時から12時頃には行けると思いますけど・・・」
そんな説明で納得してもらえれば俺も助かる。
「イイッすよ、それで」彼は軽く了解してくれる。

向山と言う場所でバス通りに面してアパートが建っていて、前面に駐車スペースがある。
住人の車が止まっていなければ、数台分を利用してトラックが横付けできる筈だった。
しかし、1台止まっているから駐車できずに、その先に半分車道にはみ出してしか止めれなかった。

運よく朝のラッシュは過ぎていたから車は少なめだし、歩行者も少なくて、交通障害は起きそうにない。
でも、バスも通るし一般車も走るから、早く退散するに越したことは無い。
素早くトラックを降りて105号室に小走る、そしてチャイムを押す。

2度、3度と押すが反応が無いから、次にケータイを掛けようと番号を押し始める。
押し終えてケータイを耳に当てたら、ドアーがス~っと開いて彼が首だけ出した。
真昼にロクロ首を見た気分、髪はモジャモジャで実に眠そうな顔が現れた。

俺はトラックの駐車が気になってて、今日3件目の買取でセカセカしてて、早急に済ませたいと焦ってもいる。
部屋はカーテンが閉められているから薄暗い・・・
「おいおい、まだ寝てたのかよ、こんな時間に!」ついつい怒気を含んで言ってしまった。

彼は寝ぼけ顔でキョトンとして言う。
「・・電話、もらえるかと思ってて・・」
「寝るの遅かったんだ?」と聞くと、「さっき・・今朝、寝たんですよ」と言う。

若い頃は、俺も夜更かししてたな、遊ぶのが楽しくてしょうがなかった。
それがどうだ、夕飯食って一杯飲むと、眼が勝手に寝てしまう。
そして朝陽の登る前に自然に眼が醒めてしまっている。