リサイクル親父の日記

第226話 並ばずに入れられた燃料に感激が・・・

2011/04/06

2トン車の燃料は軽油だったので、給油に一般道に並ぶのは避けていた。
ロングでワイドの荷台は、普通車に比べれば車線を大きく塞いでしまう。
仕事だからと迷惑を顧みずに交通障害を起こすのは厳禁だろう。

数日前からスタンドの状況を注視してた。 
1週間前に山形に行った時や3日前に大船渡に行った時も、スタンドは楽に給油できていた。
だが仙台は本格復旧はしてなくて、もうちょっとだな、と毎日一日千秋の思いをしていた。

昨日の朝、店から一番近いスタンドに様子を見に歩いた。
あの行列は消えていて、スムーズに給油できていた。
でも念には念を入れて、スタンドマンに状況を確認する。

走って店に戻りトラックのキーを回した。
喉の渇いた馬のように軽油を飲み込む燃料タンクの音は、ゴックンゴックンと聞こえるようだった。
これで出張買取も配達にも安心して対応できると大きな安堵感がわいた。

店は通常営業体制が整ったことになる。
元々お客さんがたくさん来る店ではないが、まぁ普段並み程度に来店してくる感じを受ける。
冷蔵庫に洗濯機、レンジにジャーや掃除機などをまとめて買って行くお客さんがいるのだ。

それに配達を要請されるから、俺も十分に対応ができるけど・・・
普段との大きな違いがあるのは、お客さんの状況である。
「やっと部屋が見つかった・・・家も子供も・・・」

その先は俺には聞けないが、グーッと大震災に記憶が引き戻されてしまう。
「・・娘の火葬が済んだが・・・骨壷をこれに納めて・・・上に花を・・・」
俺は何も言えない、黙して聞くしかないけれど・・・

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