リサイクル親父の日記

第239話 どっちも片付けはしないの・・・

2011/04/19

大震災前に買取の電話を受けていた。
その時は買取についての依頼というよりも相談だったのだが、震災後に正式に依頼を受けた。
受けたが、ガソリン不足で対応できずにいたので、正式には4月半ばに話はまとまった。

今朝その家に到着したら、壁は剥がれ落ちているし、ガラス戸はかなり割れている。
40年前のモルタル作りは脱落が激しいし、これでは住めないから避難してるのかと思えた。
直に依頼者一家が到着、家の中はゴチャゴチャのグチャグチャって風景。

「親が亡くなって、家も始末しようとした矢先に大地震でしょ、だからそのまんまの状態、
必要な物は持って行くけど、残りは解体するしかないし、買える物を買ってもらおうと・・・」
倒壊した家具や落下し放題の中で俺は懸命に売れるモノ探しをした。

黒柿長火鉢に南部鉄瓶を指して、「これもイイんですか?」と聞くと、
「それはダメ、お爺ちゃんからのものだから・・持って行くの」と俺が欲しいと思うとダメ出しだ。
これは仕方がないことです、残り物や余り物の中から俺は価値を見い出さないとならないのだ。

2件目は昨日見積もりを終えていた。
俺は信用を得て家の鍵を預かることができていたので、無駄も無く運び出しに取り掛かれた。
1年前から貸家で募集してて今回借り手が決まったのだ。 

だから相当前に新居に引越しをしてたのだが、どういう訳か不用品がたくさん残してあったのだ。
それに入居者が決まったら処分する予定だったらしく、そこに大地震だからグチャグチャのゴチャゴチャは1件目と同様だ。
倒れたタンスや飛び出た引き出し、落っこちた物、モノ、もの・・・・

例えば、家を解体する、或は、貸家にするから片付けはしないで、業者にお金を払ってやればイイという考え方。
面倒臭いことは金で片付ける、分からない訳でもないが。
俺にはできっこないな、出費もさることながら、我が家の内情を晒すように思えて嫌だな。

金品、貴重品、それに大切な物は当然持って行くだろうが、生活感の染みついた物モノを見せたくない。
タンスは空にする、食器棚も空にする、それ位はできるだろうにと思う。
仏壇の位牌や母親の遺影を残しておけますか?
お金持ちの言動に時々不可解なことがあるもんだ。