リサイクル親父の日記

第243話 知合いの被災者の避難先は・・・

2011/04/23

以前からの知り合いである。
引越しや運送関係の仕事を自営しているので、時々商品を売りに来ていた。
気さくでサッパリした性格に好感が持てたから、俺はできるだけ彼の要望に応じている。

暫く顔を見せないと感じていたが気にも留めてなかったし、それが彼でもあるのだ。
いつものようにひょっこり今日店に来たので、挨拶のそこそこに俺は聞いた。
「今日は何を持って来てくれたの?いっぱいあるの?」

すると急に暗い顔になった。
「・・実はさ、俺んとこも地震でやられて、避難生活を・・・」
俺は彼が何処に住んでるのか憶えていなくて、津波に流されたのかと心配になった。

「11階建ての8階だったんだが、すっかりダメでさ、建物が立入禁止になっちゃったんだよ・・
それで避難させられてさ、2~3日避難所暮らし・・その後、市の古い取り壊し寸前の住宅に移ったけど・・
そこが大きな地震だと壊れそうな感じで・・・1年間は家賃タダだけど・・」

これは大変な目にあっていたんだと改めて同情したくなったが頷くだけにしていた。
「市もしょうがないんだろうか、文句を言うと、直ぐ出て行けっていうんだよ、どうしようもないが・・」
ガスが使えないから困ると言ったようなのだが、市は取り合ってくれなかったらしい。

市からの斡旋で無料で住める場所を提供されている人たちがいるが、環境が整っていなくて苦労しているという事実もある。
行政に過大請求するのもどうかと思うが、その辺の兼ね合いが複雑で問題も惹起しているのかもしれない。
震災直後に街かどで切れてる乾電池を売ったり、おにぎり1個を300円で売ったり、と弱みにつけ込んだ悪徳人もいたそうだ。

大手家電量販店でエアコン取り付け工事を請け負っていた人が、自分の工具を売りに来た。
店の復旧工事に相当期間かかるので仕事が皆無になり収入が無くなってしまった。
この際、その下請けの仕事を廃業することにして、不要になった脚立や電動工具を売って糊口をしのぐそうだ。

被災者には見えないが二次、三次の間接被災者がかなり増えつつある。
多数の廃業者と失業者が生まれている、早く復興して欲しい、祈るばかりだ。