リサイクル親父の日記

第247話 素人さんがハンマードリルを買うんだ

2011/04/27

公共事業の予算縮減や不況のあおりで、土建屋さん関係では景気の悪かった人たちがいた。
職人などが廃業とか転職するから、不要になった工具を売りに来る人が多かった。
解体工は職人が大概は道具持ち、自前で工具を買い揃えるというシステムが多い。

転職イコール道具不要って具合になるので、工具の買取が増えていて、俺も買取に積極的に取り組んでいた。
工具の種類は様々あって、誰でも使える類は一般の人でも買うから回転は良くて利益も出る。
しかし、特殊な工具となると話は別で、専門の人にしか売れないのだ。

解体工は必ずハンマードリルという電動工具とラチェットスパナーを持っているが、これが特殊だから売れ難い。
解体関係の人は買うが、仕入れるくらいは売れずに在庫が膨らむということだ。
1~2年も経つとハンマードリルが相当溜まっている。

コンクリートは砕く工具で大小様々なサイズがあるし、電動やエアーで回すのだ。
4月になって店の再開後にハンマードリルの売れ行きが良くなった。
お客さんが質問をする。

「これ、どうやって使うのかい?」、「「どれくらいパワーがあるの?」とか。
俺は使用目的は分かるが具体的な使用方法は知る筈がない。
「作動テストは済んでいるけど、パワーとかは分かりませんが・・・」

普段はプロが買うので、俺が説明する必要はないし、説明もできないのだ。
ところが素人さんが買うケースが増えているから、理由を聞く。
「家の玄関のコンクリートが傷んでしまったから、職人に頼むと高くて、ちょっとだけだから自分でやろうと思う」

ホームセンターが栄えて久しい、自分でできることを自分でやる姿勢はイイと思う。
ちょっとした修理や造作は、実は自分でできると思う。
やる気さえあれば少々のことは可能である。

そんなことを言う俺も、リサイクルショップを初めてから色々の修理を試みるようになった。
家具の取っ手やヒンジの交換、ペンキ塗り、電化製品のチェックなど、やればできることがある。
強度や安全について問題ないことは、できることは自分でやった方がイイと思う。

ホームセンターに置いてあった修理の小冊子は便利だった。
工事毎に簡単に要領を得た説明で、必要に応じて利用させてもらった。
小中学校時代の図工や技術家庭の授業を思い出しながら修理をしたっけ・・