リサイクル親父の日記

第266話 変なおじさん!志村けんじゃないっす

2011/05/16

「おたく、厨房器具も買うの?」とぶっきら棒に聞いている。
「物によっては買取しますよ、具体的教えて下さい」と聞き返しす。
「去年の夏に新品で揃えたばかりさ、新品同様だよ」

「そうですか、それだったら大丈夫でしょう、見積に行きますよ」
そして俺は翌日その飲食店に行く。
仙台市泉区の住宅地でマンションの1階にテナントとして真新しい外装の店はあった。

確かに厨房什器備品も椅子もテーブルも新しくて申し分が無い。
B4の用紙にエクセルで作った売却品リストを示して「要るなら、やるよ」と、又してもぶっきら棒だ。
俺は記入の手間が省けるので勿論いただいた。

店舗は全体で10坪強の広さしかなく、俺が扱うには好都合の案件だと思った。
しかしリストを良く確かめると、50%ほどの品々しか記載されたいない。
「他のは使うから、書いてある物だけだよ」高飛車は変わらない。

「どうして閉めるんですか?未だ開店したばかりでしょ?」俺は真意を探るためにキツイ質問をした。
「エッ?だってよ、地震で、ほら!こんな所に居れないよ!」と壁を指さす。
壁のクロスは隅に一部ひび割れが見えるが、大したことは全く無いのだ。

厨房を調べた時に不思議に思えた。
飲食店が半年でも営業していれば、それなりに使用感や汚れがあるものである。
ガスコンロの五徳は少し焼けはあるが、それ以外には使用感が無い。

飲食店なんてとても思えず、それは事務所か展示場に思えたほどだ。
クロスのひび割れの1本や2本なんて気にする必要も無いのだが・・・
「早く見積をファックスしてくれよ、各社比較検討するからさ」どこまでも居丈高だ。

買取が少ないし、適量であり、欲しい物がいっぱいある。
俺は儲けよりも店としての戦略として買おうと思い、目一杯高値を出した。
2日連絡が無いから諦めたら、ファックスが入る。

「お世話様です。見積書をいただきました。・・・・・」
その次に、現在大家さんとかリース業者とのやり取り状況が記載されているのだ。
最後に「都合はいかがですか?」とある。

俺は成約を確認すべく即ケータイに電話する。
すると「今、お客さん中だから・・」と言うので、用件も話せなかった。
3~4時間しても連絡が来ないし、俺も少々焦りも出た。

再度電話すると「まぁ、調整しますよ」と訳の分からない返事なのだ。
数日後に引取するんだが、心配で堪らない変なおじさんかな?