リサイクル親父の日記

第273話 売約済みが増えてしまって・・売場が狭っいっす!

2011/05/24

買った商品を持ち帰ってもらうのが基本なのですが、後日取りに来るという場合もある。
取置きということは、それなりの事情もあるので許容はしている。
創業した10年以上前には、「あれ買います、後で又来ますから」と言われて待ち続けたことがある。

10日経っても、1ヶ月経っても・・・半年以上経った頃、お客さんが来た。
「・・あ、まだ売れずにあったわ・・」って本当にとぼけたことを言ったから、俺は呆れ果てた。
だから取置きはするけれど、預かり期間の期限を切っている。

それでもお客さんの事情を考慮して臨機応変に対応しているつもりだ。
3.11震災数日前に「2~3日後に買いに来ますから」と言ってたおばちゃんがいる。
震災数日後に来て「落ち着いたら来ますから・・」と商品の確認をして帰った。

楢材の北海道家具のチェストは無傷で状態も最高だから、他のお客さんの気を引く。
「まだ取に来てないの、わたしに売ってよ」「俺、上乗せして買うから譲ってよ」なんて迫られる始末。
「そうもいかないですよ、約束は約束ですし、震災でゴタゴタしてるようで・・」と俺は断り続けている。

他のお客さんでは「部屋に入れるのが月末なの・・その時に配達して欲しいんです」と頼まれる。
そんなこんなで数件も取置きが溜まると、10点以上の品数だから結構な場所を要する。
今回は震災での取置きが急増しているので無下に断れないし、むしろ協力したい気持ちが強い。

人間の心理って面白くて、売約済みの物を欲しがる傾向が強い。
「これ売れたの?幾らだったの?・・わたしも買いたかったわ」となる。
まるで購買意欲を刺激されているようなのだが、俺にはそのまま信じることはできない。

そんなことを言う人の中にも、普段は気にも留めてない人が結構いるからね。
別の角度から考えてみれば、取置き品がない店の状況はどうだろうか?
スカスカで商品不足をきたしてガリガリの痩せた感じがするだろうと思える。

俺は商品不足を、店が痩せたと感じるのだ。
俺のリサイクルショップ運営経験としては、自店の商品状態に未だに満足したことがない。
稀にイイ買取をしても、カテゴリーの一部ゾーンが充実した程度でしかない。

カテゴリーとして部分の充足であっても全体ではなかった。
これが俺の店の宿命のようでもあり、その果たせぬ満足を追い続ける商売、飽きない、商い、あきない。