リサイクル親父の日記

第274話 ハッキリ言うけど・・・悪いけど・・・

2011/05/25

言葉遣いには人の特徴や癖が潜んでいるようだ。
俺の口癖を考えてみるが自分では思い出せなくて、他人に指摘されて気付く場合が多い。
昔、昔の上司だった人は「絶対、絶対間違いないから・・・」と力説する癖があった。

普通の状態では口だけで「絶対・・」という程度だ。
少し力が入るとジェスチャーが伴う、両手の指を開いて上下に振るのだ。
レベルが最大になると、開いた指の両手は激しく何度も上下していた。

ところが上司のその仕草を伴う「絶対・・」話は、後々考えるとあまり信用のできないことが多いのだった。
夢中になって説得しようと力むけど、力むほど話が反比例してたから笑止千万。
最近気になる言い方をする人に出会った。

話の初めに「ハッキリ言うけど・・・」とか「悪いけど・・・」と前置きするのだ。
この二通りの前置きの場合には、相当な覚悟をしてキツイことでも言うのかと思った。
でも話の内容は普通のことを言っている。

例えば「ハッキリ言うけど、この皿は古いと思うけど・・」とか「悪いけど、あまり好きじゃないんですが・・」という具合。
俺は彼にそのフレーズを言われた時に、次の言葉でお叱りでも受けるのかと身がまえた。
「ハッキリ言うけど、これ気にったから買うよ」と言ってるから、俺は耳を疑ったし、肩透かしを食らった感じだ。

かく言う俺も時々使う。
「ハッキリ言いますが、これは買わないでください。お客さんには不向きですよ」
訳も分からず勘違いしてたり、使い方が分からずに買おうとするお客さんがいる。

過去にも何度か同様のケースがあって、毎日使い方を教える羽目になって、店としては大変な手間がかかってしまった。
1週間ぐらいして、やっとお客さんは使い方が分かったと思ったら「これ要らないから、戻すから・・」と返品された。
知識が全く足りないお客さんと商品のギャップが大き過ぎるのだ。

洋服や靴、或は置物や飾り物をお客さん自身やお客さんの家に似合うかしらと聞く人がいる。
曖昧に嘘も言いたくないから「ハッキリ言って、似合いませんよ」と言いきってしまう。
或は、「おたくの家を知らないから、悪いけど、似合うも似合わないも分かりませんよ」

ズバッと指摘されて気分を悪くするお客さんもいるが、それは仕方がない。
でも迷ってるから聞くのであって、ハッキリ言われて、それで納得する人もいる。
あんまりハッキリ言わずにやんわり指摘するのがベストかも知れないが、俺の性分もあるから・・・