リサイクル親父の日記

第277話 あっという間に携行缶が売れてしまう不思議さ

2011/05/28

電話で「買取をしているか?」と問い合わせがある。
勿論イエスであり、次は「どんな品物を扱うか?」と確認してくる。
「どんな物と聞かれても、全般的に扱ってますが・・逆に何を売りたいか教えて下さい」

そう切り返して品物のことを聞き出すのが普通の流れです。
「ケイコウカンですけど、買い取ってもらえますか?」と若い男性が電話で言っている。
「ケイコウカンって、照明の蛍光灯のことですか?」念押しの確認をする。

「違いますよ、ケイコウするカンですよ!持ち運べるやつ」言葉が強くなっている。
どうも俺は聞き慣れない言葉に弱いし、想像し難い。
「何に使うんですか?どうやって使うんですか?」更に聞き込む。

「エッ!・・石油を入れて運ぶんですよ!」それで合点した。
ケイコウは携行であり、カンは缶ってこと、携行する缶、携行缶かと理解できた。
震災後にガソリンなど燃料を買う時に必要とした物で、ホームセンターで売り切れ続出だったっけ。

「・・会社で10缶買ったが使わず・・・持っててもしょうがないし・・それで買取をしてくれる店を探して・・
どこも買取しないって言われて・・・新品ですよ!、安くてイイんですけど・・」
安くてイイというのに魅かれてしまう、俺はどうやら本物のリサイクル屋になっている。

「確かにあの時は皆欲しがっていたが、今は必要ないからね、でも値段次第で考えますよ」
「そうですか、助かります、持って行きますからよろしくお願いします」
2日後彼はやって来た。

真っ赤でピカピカ光った新品の携行缶は5リットル、10リットルの2種類で10缶。
店の入り口に目立つように並べる。
「おっ!これは安い、一つ買っておこう」と早速常連のおっさんが買ってくれる。

翌日は、2缶買ったり、1缶買ったりと数缶売れた。
翌々日も数缶売れてしまう。
4~5日間で売り切れてしまう。

人間の心理なのか、皆さん異口同音に「安い」更に「又、地震が来ると大変だし、準備しておこう」だって。
2~3日前に来た若い男が「ケイカン、無くなったんですか?」と店に入ると同時に聞いてきた。
「ケイカン?」俺は頭を振ると、「燃料入れる小さい赤いタンクですよ」と叫ぶ。

どうやら彼には「ケイカン」とは、「携」と「缶」らしいのだった。
俺は車の燃料が半分を切ると満タン給油することにしていた、今回はこれで約束を数件履行できた。
それにケータイをできるだけ充電するようにしている。

上記2例は、エコや長持ちのために全く反対の考え方があるけど、非常時に常時備えた方がベターだと確信している。
それと、財布には現金をかなり入れている、これは突然の買取に備えるためだが、今回は大助かりでした。