リサイクル親父の日記

第279話 新品、ルンルン、新品、ルンルンって日

2011/05/30

1人暮らしで去年秋に買った物ばかり全部の買取だ。
冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、ハンディ掃除機、ジャー、ガステーブルなどなど・・・
ソファーに敷き物も使用感が少ないから十分に商品になる。

テレビ台、楕円ガラステーブルもあるし、俺は買取品を前にして嬉しくってしょうがないんだ。
「随分、ありますね」と漏らしてしまう。
「だから言ってたでしょ!全部だって」と彼は自慢するように言う。

でも買取交渉が難航してすったもんだしたが、それでも新しい物はリサイクルショップには欠かせないから頑張った。
いつもの調子で「どちらに引越すんですか?」と聞く。
「震災で会社がダメになって、それで東京に行って働くんですが・・・」彼は澄まして続ける。

「もう直ぐ結婚するんで、彼女が全部揃えているの、だから何も要らないから・・」
最初に気になっていたこと、それは彼の薬指に婚約指輪が輝いていたのだ。
彼もルンルンだけど、俺もルンルンさって気分。

太白区長町の警察署近くの面白い名前「たまごハウス」の賃貸マンション 、今度は若い女性から買取。
2月に転勤で引っ越して来て買い揃えた品々、だが、震災のため東京の実家に避難した。
震災が落ち着いてから仙台に戻ったが、どうしたことか又しても東京に転勤となった。

買って3カ月だが使用したのはほんの僅かだけ。
「洗濯機は10回くらいかしら、ジャーは5回くらいしか・・・勿体ないけど、家には揃ってるし・・」
どうした訳か止まらないシャックリを繰り返しながら彼女は説明する。

確かに全部が真新しい、俺は再度喜びが湧きでる。
東京から迎えに来ていたご両親も同様に残念がるが、それ以上に娘が戻ることに安堵しているようだ。
「車に積める分だけでイイわよ、だから全部お願いしますわ」とお母さんが主導する。

「冷蔵庫はX千円です、洗濯機が・・・・合計X万X千円になりますが、よろしいでしょうか?」
「だって他ではベットや布団はダメだって、お金かかるって・・その分だけでも助かるし、よろしくお願いしますわ」
1週間前に電話での問い合わせの時に俺が説明したことを確認している。

そして、我々はみんなでワイワイガヤガヤと狭い部屋から協同作業で運ぶ。
早く終えて東京へ帰りたいのか、積極的な協力を惜しまない。
トラックへの積み込みは慎重に行う、新品同様だからキズを付けては価値が下がる。

俺の気分はルンルン。
でも、新しい物は仕入れも高くなり販売も結構高くなる。
だから売れ難い・・・それでも店内の見栄えは大変良くなるんだ。