リサイクル親父の日記

第289話 無理のし過ぎでは?

2011/06/11

数ヶ月前に買取について質問をした中年男性がいる。
ぷらっと店に来て、「何でも買ってくれるの?例えば、事務机や椅子など・・・」
使用状態や年数を聞くと問題は無そうに思える。

それで話は終わったので忘れていた。
1週間前に又現れた。
「前にさ、買取してくれるって言ってたよね」と突然話してくるが、直ぐには思い出せない。

だから最初から聞き直して買取に行くことになった。
街中の十数軒の新築が建ち並ぶ場所である、その家も新しいが、???
役所の地番表示の濃紺プレートの番号は間違っていないが、???

その下に正方形の表札があるのだが、黒いテープで横2列を塞いである。
俺は名字を確かめることができないから、再度地番を凝視する。
少し不安を感じつつ玄関戸を開ける。

すると彼が奥の部屋から顔を出してくる。
一室は事務所になっていたから、スチール机に椅子、ロッカーで埋れている。
更に別の和室には会議テーブルやスチール棚が置かれてる。

更に駐車場にはスチール机が2台と、この1軒家に多過ぎる什器に思えた。
もっと不思議なのは、それ以外の物が何も無いのだ。
彼の説明の聞きながら俺は、この状況を想像する。

「新築ですよね、引越ししてきたんですか?」と真逆の質問を静にする。
「そうだよ、4年目かな・・そうだリサイクル屋さん、ついでに家も買わないか?」
「家を売るんですか!?」と驚いたふりをする。

「そうだよ、色々やったけど諦めたよ、あっという間にダメになっちゃたよ」
新品の子供服が山のように売れ残っていたし、工事用の資材もたくさんあったのだ。
少し手広くやっていて、景気が悪くなり縮小して自宅に事務所を移した。

更に経営が悪化して遂に倒産なのだろうか?
自宅の事務所も無理して什器を詰め込んでいた。
経営も無理に無理を重ねてたようだった。