リサイクル親父の日記

第293話 単身赴任のため備えてたが親が同居・・

2011/06/15

震災の余波は種種様様だと何度も感じる。
被災者の人数はもの凄く多いから、各人各様に状況も違うということ。
似たケースはあるが、二つとして同じということは無い。

毎日、数人くらいの被災者が店に来てくれる。
買う物決めて清算する時に、自分の状況を一言二言話してくれる。
そんな日々が続いているが、俺も自分の目で見た現実と話を聞いた実情を合わせて、改めて地震や津波の甚大さを知る。

男性の電話は買取依頼である。
「・・単身赴任用の冷蔵庫や洗濯機・・2年前でし・・急ぐっていうか・・今日でも構いませんが・・もっと後でも・・・」
単身赴任を終えて、それで処分するのかと思ったが、日程に関しては少し優柔不断にも思える。

住宅地図で調べると1軒家だった。
単身赴任だから集合住宅でなければならない筈だが、疑問を持ちながら向かう。
「2年前に単身赴任時に買い揃えたんですが、自宅に戻って、近い内に又単身赴任があるかも知れないので・・

実は、実家に保管しておく予定・・でも、実家が津波で・・全壊ってことになって・・・修繕には大金かかるって・・
家は狭いし、この部屋に保管してたが・・・実家のお袋が同居することなるんで・・・場所が無くなり・・」
彼が説明する後ろで奥さんが首を何度も上下させて同調している。

巡り巡った同情したくなる事情である。
でも、命は助かったしと安堵もあり、俺らは被災者の情報交換をした。
「そうですか、被災者が買いに来てますか? 幾らかでも助けになれば嬉しいです」

彼はボランティア精神を惹起されたようだ。
そして、「それではこれも、あれももって行って下さい」と品数が増えてしまう。
道幅の狭い場所だから俺は自家用車である。

当初の家電は積めるが、増えた分は余ってしまう。
でも彼の精神を見習い、俺は利益度外視で再度積みに来ることにした。
まぁ、しかし、単身赴任用って表現は面白かった。

次の単身赴任に備えるということも面白かった。
俺は常時可否を判断して、要不要を即決している。
不確かなことを想定しないから、俺とは真逆の考えなのかな・・