リサイクル親父の日記

第299話 一個ずつ清算します、置いといて・・

2011/06/21

おっさんは電化製品棚から取説を引っこ抜いて読みふけっている。
遠いから何の説明書を読んでいるか分からない。
やがて小型の黒い円筒形製品を持って来て清算する、小振りの空気清浄機だった。

「これ、フィルターにトイレットペーパーを使えるって、便利だから」俺はなるほどと感心した。
「ハイ」と代金を注したして「他にも探すから、置いておいて・・」と売り場に戻る。
棚の下段から上段まで一段毎に隅々までを丹念に丁寧に探す。

気になる物があると、手にとって持ち上げて全周から検査する。
その仕草だから長時間でかかるし、物によって長考するのだ。
そして又持って来た。

今度は魚の形をした箸置き1個である、清算は30円。
「1個ずつ集めてるんだよ、もう2千個くらいになったかな・・・置いといてや・・」
勿論、30円の支払いを済ますと売場に逆戻りする。

その繰り返しを6回やったのだ。
締めて1千円ちょっとの買い上げです。
最後の清算を済ますと、値札をそれぞれから外して袋詰めする。

おっさんは「この店初めて来たけど、面白いよ、又来るよ」とニコニコする。
「そうですか、有難うございます、近くですか?」と俺は聞いた。
「うん、そう、ほらXXXでよフリマあったのが流されちまってよ、俺フリマ好きでさ・・」

沿岸方面の仙台新港イベント会場でのフリマやある港町の有名な朝市などができなくなってしまった。
それ以外にもチョッとした場所でのフリマは相当増えている。
フリマフリークも同様に増加しているのだろうが、行き場を失ってしまったのかも知れない。

彼らフリークの常套句が俺には鼻につく時がある。
勝手に指し値を「半分にしてくれれば買ってもイイよ」と大上段な物言いをする。
その傲慢無礼な連中に俺もキレることがある。

「ハッ!?あんた何言ってんの、そんな言い方は失礼でしょう、どうぞ帰ってください」
フリマの場合は、持ち帰るのが面倒で投げ売りする人もいるようだ。
俺は店を張っているし、そんなどうでもイイ売り方はしていない。

勘違いしてるフリマフリークに買いに来られて威張られるのは腹が立つ。
ものは言いようです、俺の逆鱗に触れないような言い方を考えて欲しい。